内容説明
石川啄木・与謝野晶子に始まり、現代歌壇の重鎮や、寺山修司・塚本邦雄ら先鋭なる歌人、そして若き歌詠みたちの、生々しい恋歌が百首。それぞれの歌に、俵万智流の解釈と鑑賞が添えられ、ハラハラとしたり、ドキリとしたり…ユニークな短歌鑑賞かつ恋愛手引きの書。
目次
全存在として抱かれいたるあかときのわれを天上の花と思わむ(道浦母都子)
きみが歌うクロッカスの歌も新しき家具の一つに数えむとする(寺山修司)
赦せよと請うことなかれ赦すとはひまわりの花の枯れるさびしさ(松実啓子)
春芽ふく樹林の枝々くぐりゆきわれは愛する言ひ訳をせず(中城ふみ子)
いつかふたりになるためのひとりやがてひとりになるためのふたり(浅井和代)
氷河期より四国一花は残るといふほのかなり君がふるさとの白(米川千嘉子)
指からめあふとき風の谿は見ゆひざのちからを抜いてごらんよ(大辻隆弘)
美しき誤算のひとつわれのみが昂ぶりて逢い重ねしことも(岸上大作)
良寛が字に似る雨と見てあればよさのひろしと云ふ仮名も書く(与謝野晶子)
われらかつて魚なりし頃かたらひし藻の蔭に似るゆふぐれ来たる(水原紫苑)〔ほか〕
著者等紹介
俵万智[タワラマチ]
1962年大阪府生まれ。早稲田大学卒。大学在学中に短歌結社「心の花」に入会、作歌を始める。86年、第32回角川短歌賞受賞。翌年、第一歌集『サラダ記念日』を刊行した。主な作品に、『かぜのてのひら』『チョコレート革命』(以上歌集)。そのほかに、『みだれ髪チョコレート語訳』『よつ葉のエッセイ』『九十八の旅物語』(写文集、写真・平地勲)『短歌を読む』『言葉の虫めがね』『風の組曲』など
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