内容説明
両親から遠くはなれて、海辺の町に住んでみたいというおもいから、佐伯雄二は豊橋の近くにある大学へ進学。合格祝いにと父からカメラを贈られたのをきっかけに、雄二の生活は写真を中心に廻りはじめる―。中国歴史小説の旗手が爽やかに描く、青春時代の友情と恋の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まめこ
16
★★★★☆中国時代小説でない宮城谷作品。海辺の小さな町に住んでみたいと方南町で大学生活を始めた雄二君。入学祝いにもらったカメラを介してもたらされる交友、両親の秘密、方南町の自然がじんわり温かい。人との接触に感情を乱されがちに見えた雄ちゃんが、客観的に他者を眺められるようになった気がする。カメラを通して己の先入観や傲慢を冷静に見つめることができるようになったってことかな。啓ちゃんエエ奴!2021/08/14
Fumiaki Kobayashi
1
主人公と関わりを持つ人、各々のストーリーが爽やかでドロドロとしないところがとても読み心地が良かった。 またカメラ専門誌に掲載されていたこともあり、多少のテクニックの表現があるけれども、主人公が全くの初心者であることもあり、初めて読む人でも拒否感なく読み進められると思いました。2018/06/08
Kanon
1
大学生とカメラの話。 主人公が大学に入学する時に父親からカメラを渡されだんだんと上手くなっていく話。ちょっとだけテクニックの話も出てきますが、それほどではない。 大学生らしいほんのりとした恋愛の部分もあって、なかなかいい作品に仕上がっていると思う。 ただ、写真の上達が早すぎるような気がするが、それは小説でうまく大学4年間で終わるようなつくりになっていると思えば納得か。2017/09/12