朝日文芸文庫<br> 街道をゆく 〈40〉 台湾紀行

朝日文芸文庫
街道をゆく 〈40〉 台湾紀行

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  • サイズ 文庫判/ページ数 393p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022641489
  • NDC分類 915.6
  • Cコード C0126

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミカママ

517
改めて司馬先生の知識と行動力、人脈の広さに驚かされる。台湾の歴史について、わたしはなにも知らなかったのだと思い知らされた。李登輝氏との交情が素晴らしい。司馬先生は当然のごとく台湾の国家としての未来を憂いているが、今日の情況をごらんになっていればなんと思われたか。その安定はアメリカの支持なしには容易でないと思われるが、暗雲が立ち込めているように思えてならない。2021/08/30

レアル

65
台湾の漠然としていた知識が、司馬史観という視点の中で明確にスッキリと理解できたように思える。刊行年も随分古いが、台湾の生い立ち、歴史、日本との関りや日本統治時代など、現地で生活している人たちの生の声を聴いて綴る紀行。まさにいきた歴史書。読んで台湾に親しみを持てたし、いい勉強にもなった。2017/04/11

Miyoshi Hirotaka

40
世界最長の国号をもつわが国では、権威と権力が完全に分離。さらに「権力は公」という原則が討幕・佐幕の両派で認識されたことにより、江戸を戦場とした内戦は回避された。清から化外の地とされ、西洋列強からも無主の国とされた台湾は、日清戦争後50年間、「権力は公」を原則とする法治社会を経験。このため大陸から来た人や大陸にいる人々よりも近代的経験に富み、個人や家族のレベルを越えて良き社会を作ろうという良識があるなど、世界レベルの文明を生み出す素地がある。大震災時に巨額の義捐金が寄せられた背景には、近代精神の伝播がある。2015/06/16

R

38
台湾という独特な国を通して、国家とは、民族とはと哲学的命題に触れる本でした。従軍経験もある司馬先生だからこその、台湾への思いや見方を通して、実地での出会いと歴史やなりたちへの思考思索が非常に面白い本でした。数奇という言葉の意味を台湾という国から見出したり、戦争時の日本とのつながり、当時をどう省みるかというところが興味深い。特筆すべきは、李登輝さんとの対談や親しみのある会話から紡がれる現代の情勢が素晴らしく、大きな歴史的問題の未だ途上にある台湾という国について知ることができる一冊でした。2017/08/15

James Hayashi

31
著者が訪れた当時(93年ごろ)は、まだ主要部門の人材登用は外省人(中国本土から来た国民党員)ばかりで李登輝総統は例外中の例外。しかし、今回の選挙(2016)では議会も(初の女性)総統も民進党。ようやく生え抜きの人材が活躍できる世の中へ。大きく変わったようにも感じるが、日台の人の動きは(交流)激しく、相思相愛の国。その源泉が見て取れる内容。李登輝氏が無ければ、今のアジア情勢は大分異なっていたのでは?再読。2016/01/27

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