朝日文芸文庫<br> ニューヨーク散歩―街道をゆく〈39〉

朝日文芸文庫
ニューヨーク散歩―街道をゆく〈39〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 176p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022641434
  • NDC分類 915.6
  • Cコード C0126

内容説明

ブルックリン橋を造ったジョン・ローブリング、江戸末期に日本にやってきたタウンゼント・ハリス、そして「日本学の世界的な研究者である」ドナルド・キーン…。マンハッタンの片隅でこの街の歴史を辿り、ブルックリンの街角で海を越え日本と関わった人々を思う。シリーズ唯一のアメリカ紀行。

目次

マンハッタン考古学
平川英二氏の二十二年
ブルックリン橋
橋をわたりつつ
ウィリアムズバーグの街角
ハリスの墓
コロンビア大学
ドナルド・キーン教授
角田柳作先生
御伽草子〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新地学@児童書病発動中

119
私のような地理と歴史が好きな者にとって、司馬さんの『街道をゆく』はこたえられない読み物だ。単なるニューヨークの旅行記ではなく、歴史の考察や文明批評が含まれている所が素晴らしい。無名の人から有名な人まで、さまざま人物の生き様を通して、ニューヨークの姿が浮かび上がる。ドナルド・キーン氏の師で、日本学の確立に力をつくした角田柳作氏のことが一番印象に残った。このような無名の人物に光を当てるところに、司馬さんの人間的な優しさを感じる。2016/06/29

優希

74
ニューヨークに渡り、マンハッタンやブルックリンから想いを馳せる日本との関わり。そこには歴史の考察や文明批判が述べられており、ドナルド・キーン氏との関わりが印象に残ります。街の歴史と共に海を越えた歴史を考察することにより、単なる旅行記にしていないのが興味深いところでした。2018/04/29

レアル

58
この巻では、マンハッタン島のバーゲンセール購入や南北戦争、ハリス等様々挙げて描いてくれているが、以前キーン氏の著書『日本との出会い』を読んだ事も重なって、ドナルド・キーン氏の件が印象的だった。この本の中でも一番ページ数を割いているし…。ただ他巻と違い、その場その場の訪れる場所の軽い紀行文の様な感じがして、他巻程その土地においての歴史的な重厚感的記述が見られないのは残念なような気もする。2017/08/07

Book & Travel

46
1992年のニューヨーク。訪れた場所ゆかりの人物や出会った人に纏わる話が中心。ブルックリン橋の建設に命を懸けたローブリング親子や、日米の通商に力を尽したハリスの話では、人物への温かい筆致が印象的だ。後半は今年亡くなったドナルド・キーン氏について。自伝は読んだが、司馬さんの視線で書かれたキーン氏の半生もまた興味深い。空海が師の恵果から密教の全てを注ぎ承けたように、コロンビア大学で角田柳作教授からただ一人の教え子として日本学を学んだ。そのキーン氏の退官パーティに多くの教え子が集まる場面がちょっと感動的だった。2019/12/11

kawa

37
ニューヨーク・コロンビア大日本文化センターの講演講師に招かれての旅。話題は文化センター長ドナルド・キーン氏、NY縁りで幕末に日本の初代領事を務めたタウンゼント・ハリス、そしてブルクッリン・ユダヤ街のこと等々。アメリカで主力を占めるWASPとは、白人・アングロサクソン・プロテスタント。そこに遅れてやってきて、NYに大量に定住した職業ノウハウがない貧しいカソリック系アイルランド人。その糧を奪ったアフリカン・アメリカン、結果としてアイルランド系白人から憎悪されたのがアメリカ差別社会の実相らしい。(コメントへ)2021/11/01

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