内容説明
ロマー文明の洗礼を受けず独自の文化を築いたアイルランドの地へ…。司馬史観の新たな地平。
目次
ケルト人
ギリシア・ローマ文明の重さ
ケルトの妖精と幻視
“鯨の村”ホテル
明治の悲しみ
紳士と浮浪者
いまは昔
駅舎・空巣
リヴァプール到着
ビートルズの故郷
死んだ鍋
ヘンリー8世
ライアンの娘と大聖堂
郷に入っては
ベケット
オコンネル通り
スウィフトの寺
文学の街
ジョイスの砲台へ
神話と金銭
ウィスキーのEを飲む
ジョン・ライリー氏
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
79
イギリスと東西に鎮座している国が故にアイルランドのみならず、イギリスにも触れています。2国が隣国でありながら、不仲である理由が宗教上であったことを知り、衝撃を受けました。カトリックとプロテスタントという関係が問題視されてしまうのですね。ビートルズや妖精などを語っていたのは新鮮でした。2も読みます。2018/05/07
ehirano1
64
なかなかアイルランドに到着しません・・・。英国での寄り道では漱石、小泉八雲、ヘンリー八世、ビートルズ、両国に係る有名人がしこたま登場し全く飽きませんし、またこれが”アイルランド”を語る上での布石になっています。私には英国とアイルランドは表裏一体のように思えます。ところで、著者の(いつもながらの)横道に逸れての小話(いや、寧ろ本筋?)が面白くてしかたがありません。直ぐに辿り着けるように線まで引いてしまっています、私・・・。ベケットやジョイスはいつか機会があったら読んでみたいと思いました。2016/05/23
レアル
59
イギリスとアイルランド。互いに東西に鎮座するお隣同士の国が仲が悪く、その理由がその歴史と宗教上の理由とは何となく知ってはいたが、これほどだったとは!というのが一番の感想。同じキリスト教なのにカトリックとプロテスタントの 違い。まるで母校キリスト教の宗教に時間に習った様な内容の稿が続く。また「陽の沈まぬ国はない」と言われた大英帝国の歴史、そして「陽の沈んだ」後の歴史の記述もアイルランドの歴史と合わせて描かれているので分かり易い。歴史だけでなくビートルズや妖精を信じる国民性と絡めての小泉八雲の稿も読んで納得。2017/07/04
ehirano1
35
「アイルランドの土着の神々が、妖精として生き残った(p40)」。なるほど、これは興味深いです。ケルト妖精物語≒ケルト神話物語として読んでみるとまた一味違うかもしれません。2016/07/02
さつき
34
アイルランドに向かう前にイギリスに寄り道をしていますので、一巻は半分以上がイギリスでした。もちろんイギリスにいる時からずっとアイルランドについての思索が続けられていますが。カエサルの『ガリア戦記』から始まり、スウィフト、小泉八雲、ジョイスとアイルランド人の文学者たちのエピソード満載で読みでがありました。私はビートルズについてまるで無知で彼らがアイルランド系イギリス人だったとも知らなかったので驚きました。二巻はアラン島も登場するのでしょうか?楽しみです。2016/04/03