朝日選書<br> 中国グローバル化の深層―「未完の大国」が世界を変える

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朝日選書
中国グローバル化の深層―「未完の大国」が世界を変える

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  • サイズ B6判/ページ数 411,/高さ 19cm
  • 商品コード 9784022630346
  • NDC分類 319.22
  • Cコード C0330

出版社内容情報

【社会科学/社会科学総記】中国は本当に「大国」になったのか? 世界的な影響力の浸透度は? グローバル・ガバナンスへの貢献、ソフトパワーやハードパワーの現状も含め、広範な資料を駆使し、外交、経済、文化、安全保障など多角的に中国を解き明かす。

内容説明

中国は近年、アフリカでの鉱物採掘、欧州との貿易、中東の油田、ラテンアメリカでのアグリビジネス、東アジアに工場…世界各地にその足跡をつけている。経済活動が活発な一方、軍事力を近代化・増強し、文化的影響を世界に広めようともしている。そんな中国に対し、国際社会はグローバル・ガバナンスにおいて応分の役割や責任を期待する。長年のチャイナ・ウォッチャーとして定評のある著者は、中国は「未完の大国」と明言する。一般に思われているほど重要ではないし、世界への影響力もそれほど大きくない―と。何が中国を突き動かすのか?中国が本物の覇権国家になる日は来るのか?膨大な資料をもとに、外交、経済、軍事、文化、グローバル・ガバナンスなどを多角的・多面的に検証し、中国の実情と世界の未来を探る。

目次

第1章 中国のグローバル・インパクトを理解する
第2章 中国のグローバル・アイデンティティー
第3章 国際社会における中国の外交プレゼンス
第4章 中国とグローバル・ガバナンス
第5章 世界経済での中国のプレゼンス
第6章 世界における中国の文化的プレゼンス
第7章 世界の安全保障における中国のプレゼンス
第8章 グローバル化した中国に対して

著者等紹介

シャンボー,デイビッド[シャンボー,デイビッド] [Shambaugh,David]
米ジョージ・ワシントン大学教授(政治学・国際関係論)。同大学エリオット国際関係大学院中国政策プログラムの創設者・ディレクター。米ブルッキングス研究所北東アジア政策研究センターおよび外交政策研究プログラムの上級客員研究員。米外交問題評議会(CFR)、英国際戦略研究所(IISS)の会員

加藤祐子[カトウユウコ]
東京生まれ。英オックスフォード大学国際関係論修士。朝日新聞記者、国連本部職員、CNN日本語版ウェブサイト、gooニュース編集長を経て、現在はBBCワールドジャパンのデジタル・エディター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

29
2013年初出。ジョゼフ・ナイ教授は、権力の核心は持てる資源を影響力に 転換する(傍点)ことで、権力の行使(22頁)。中国社会で中心的な役割を果たす関係(グワンシー、双方向の義務)の取引。中国ではいつでもどこでも誰でも社会的な関わりを取引にする(207頁)。中国の文化産業規模は、GDP2・75%に相当。政府は文化産業を経済の柱にしようとしている(275頁)。文化経済学からすると興味深い。中国語、中国文化を世界に広めるための大学水準の孔子学院、中高水準の孔子学級(319頁)。2015/11/17

はるわか

14
中国は未完の大国。きわめて狭量で自己中心的で現実的な国家で、国益と力の最大化のみを追求。グローバルガバナンスや世界的規範の徹底にはほとんど関心がなく(自国への内政不干渉の原則は除く)、経済政策は重商主義的で、外交は受け身。戦略的に孤立しており、同盟国がない。世界中のほとんどの国との間に相互不信があり関係がぎくしゃくしている。同時に、中国は定期的に、状況に不満で、苛立ち、被害者意識を持ち、怒っている国の顔になる。いかに「面子」を保つかに執心。大国でなく、「ミドル・パワー」もしくは地域大国と考えたほうがよい。2016/05/25

BLACK無糖好き

5
中国は国連安保理の常任理事国であるが、世界の主要な問題について何一つとして解決策の模索に積極的に関わっていない。その一方で中国の現実主義者は、グローバルガバナンスに中国をもっと参加させようとする欧米の動きは中国を縛り付け、中国の資源を枯渇させ成長を遅らせようとする罠だと考える。さらに中国ではあまりに国内問題がありすぎてグローバルガバナンスに貢献する余裕などないとの意見もある。本書では中国の外交・経済・文化・安全保障・世界で果たすべき役割について多面的に深く掘り下げて分析している。とても参考になります。2015/08/17

人生ゴルディアス

4
データを多用し、世間で言われているほど中国は大きくないし、今後世界の主要プレイヤーになることもあまりなさそうだ、という本書。ちなみにデータを用いて語るのは良い反面、具体的な顔が捉えにくい。『ネオ・チャイナ』を直前に読んでいなかったら、色々な記述が素通りしてしまっただろう。こっちはアイウェィウェイや韓寒をめぐって物語的に記述されているので、どういう人物でどういう顛末を辿ったかがわかりやすい。二冊あわせて読むといい気がした。2015/10/02

にゃ

2
日本が引っ越すことはできないので、中国についてよりよく知ることは日本の将来、ひいては自分の未来を考える上で非常に重要と思っています。俯瞰的に現在の中国の状態を冷静に理解できると紹介されていたので本書を読みました。著者は1人ですが、色々な角度から中国を冷静に分析していて現代中国の状態が大体わかりました。過不足のない中国への理解が最も大事だと言う主張に深く納得できました。ついでに、この本分厚いですが、本書の最後の四分の一は引用です。挫けそうな人はそれを信じて頑張ってみてください。。2015/12/09

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