内容説明
7年に及ぶ母の介護を終えた娘、定年退職の日を迎えた中卒サラリーマン、腐らずもがき続けたベテラン漫画家―普通の人々のささやかな日常に光を当てたノンフィクション・コラム。読み終えたあと、生きることへの希望、勇気がわく31編。朝日新聞夕刊be連載に加筆。
目次
落葉掃き
街
父は虫プロの編集者
定年退職の日
へこたれない
トリガラ
コラムinコラムズ1 現実の博物館
傷を見るのをやめた
ジタバタした
職場〔ほか〕
著者等紹介
上原隆[ウエハラタカシ]
1949年神奈川県生まれ。コラムニスト。立命館大学卒。市井の人々の日常を取材し、ぐっとくるエピソードをつづったノンフィクション・コラム『友がみな我よりえらく見える日は』(幻冬舎アウトロー文庫)がベストセラーとなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ステビア
19
いつも通りのグッとくるコラム・ノンフィクションで素晴らしい。2014/09/12
スノーマン
18
穂村弘の書評集からこちらへ。読んで良かった。どの人のどの言葉も、フィクションにはない重量と、物悲しさ、悲しみや苦労を突き抜けた明るさなど、それぞれに味わいがあって、読み終えた今は、他の本が物足りなくなるのではという危惧(笑)2018/06/23
かおる
14
どの話もジンときて大事に一話一話を読みました。「ご近所」はすごくよくわかるし、その後がないのがもどかしいけど現実もそういうものだよなと思いました。「落葉掃き」もいつか自分が介護する立場になったら肝に命じたいです。 2015/11/24
村越操
12
人生の困難に出会ったとき、人はどんな方法で対処しているのだろう。他人という、そんな近くて遠い存在は、実は将来の自分かもしれない。神さまのちょっとしたいたずらとしか思えない、人生の差配で私たちはそれぞれの人生を生きているだけなのでしょう。手元に残して、繰り返し読みたい本です。今回のベストコラムは『泣くことでしか耐えられない』です。(次点は『同級生』)「横道にそれた経験のある人の方が見捨てないですね。土壇場に立たされた者の気持ちがわかるんですよ」2014/01/12
エリ本
9
新聞に連載されたノンフィクション・コラム。どんなに辛くても、悲しくても、なんとか前を向いて生きていかなければという思いがひしひしと伝わってくる。絞り出された嘘偽りのない言葉(子供ならしぐさ)に心を打たれる。ハッピーエンドは無い。ノンフィクションだからまだまだこの先がある。2022/04/16