朝日文庫
お前はただの現在にすぎない―テレビになにが可能か

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  • サイズ 文庫判/ページ数 514p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022615978
  • NDC分類 699
  • Cコード C0195

内容説明

1960年代後半、番組内容や報道の取材方法を巡って「TBS闘争」が起こった。本書は、闘争のさなかで三人のテレビマンが「テレビになにが可能か」を繰り返し自らに、会社に、社会に問い続けた記録である。テレビの本質をもっとも深く問うた本として、復刊が待ち望まれてきた名著。

目次

序章
1章 お前をチラと見たのが不幸の始まり(太宰治)―3・10成田事件をめぐるドキュメント
2章 倒錯の森の中で…(サリンジャー)―4・24中断されたティーチ・イン
3章 八月はいじわるな月(エドナ・オブライエン)―フランス・日大芸術学部・チェコにおける言葉の解放のドキュメント
4章 九月のクロニクル(ポール・ニザン)―10・21新宿、12・24アポロ8号、1・19東大と続くTV中継の陰のクロニクル
5章 テレビはジャズである

著者等紹介

萩元晴彦[ハギモトハルヒコ]
1930年生まれ。早稲田大学露文科卒。70年、村木・今野とともにTBS退社、「テレビマンユニオン」を設立して社長に就任。「テレビジョンの方法論を軸にして、あらゆるメディアに挑戦する」生涯を歩む。01年9月死去

村木良彦[ムラキヨシヒコ]
1935年生まれ。東京大学美学科卒。テレビマンユニオン経営の傍ら、「地方の時代映像祭」をプロデュース。全日本テレビ番組制作社連盟(ATP)や、放送人グランプリ(放送人の会)創設など、テレビの可能性を追い続ける。08年1月死去

今野勉[コンノツトム]
1936年生まれ。東北大学社会学科卒。テレビマンユニオンで「欧州から愛をこめて」「こころの王国・金子みすゞの世界」などドキュメンタリー・ドラマで「テレビ的方法」を開拓する。同社取締役副会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

越部社長

4
1968年に、新しいメディアとしてのテレビになにが可能かということを突き詰めて考えた先人がいたことを、後輩として正面から受け止めよう。60年代特有の左翼的言いまわしが、文章をストレートに理解することの障碍となっているのが残念だが、何のために表現するのかという問いを持たずに、ニヒリズムと惰性で仕事をしている人間にはない切実さが文章から伝わってくる。貴重な遺産だ。先に読んだ「シャボン玉ホリデー」と同時代のテレビを舞台にしているのに、まるで違う問題意識でテレビと向き合っているところ、黎明期だったのだと思う。2011/05/24

波 環

3
なんとも。2022/04/24

unterwelt

2
1968年に起きたTBS闘争のさなかで3人のTBS社員が「テレビにおける表現とは何か」「そもそもテレビとは何か」を問うた本。テレビについての本だが、問われているものは新聞やネットにも通じると感じた。むしろ誰もが動画を撮りアップできる今の方がよりアクチュアルではないかとも思う。ただこの本は1968年のドキュメントにもなっており、今読むと当時の熱気は伝わるが、表現が分かりにくく、読んでいて意味がつかみ取れないところもあった。とはいえ、テレビとは何かを自分事として考える人がいたという事は覚えておきたい。2020/05/12

JunTHR

2
今のテレビの制作現場の人間たちに、こんな本が作れるのか。むしろ、ぜひ作ってみて欲しい。今の時代の現場の人間が「テレビとは何か?」「テレビに何が出来るか?」という問いに真剣に向き合って、どんな答えを出すのか。それが気になる。下のコメントにもあるように1968年という「革命」の年の息づかいの伝わるドキュメントとしても秀逸。こりゃすげーや。2010/07/27

tkm66

1
昔のテレビマンってインテリだったのだなあ、と返す返すも。2008/10/12

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