内容説明
古代史の究明には、古事記・日本書紀に述べられている多くの物語を、考古学の史料と方法で検証することが必要であるとする著者が、崇神から欽明までの天皇を主として取り上げ、古墳時代の前期から後期前半までの古代日本をひもといていく。
目次
イワレ彦とその妻たち
タケハニヤス彦とミマキイリ彦の戦い
箸墓伝説と纒向遺跡
大和古墳群と大王陵
倭大国魂神と中山大塚古墳
イクメイリ彦の諸問題
アメノヒボコ
ヤマトタケルと白鳥
オオタラシ彦の大旅行
タラシナカツ彦の死をめぐって
神功皇后をめぐって
応神天皇と皇后髪長媛
仁徳天皇と皇后磐之媛
仁徳天皇と都市づくり
仁徳天皇の子供たち
倭王興から倭王武のころ
伊勢と出雲での二つの発掘
越と継体・欽明王朝
著者等紹介
森浩一[モリコウイチ]
1928年、大阪市生まれ。考古学者
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感想・レビュー
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月をみるもの
11
先日、池澤夏樹訳(?)の古事記を初めて読んだ。日本書記のほうは不比等による捏造記録という偏見があったのだが、やっぱ一度はちゃんと読んどかないといかんと認識させられた。考古学と文献を縦横無尽に結びつけるのは、森さんの知識と執念。それにしても、仲哀天皇の葬儀が恐ろしすぎる。。。。「生剥、逆剥、阿離、溝埋、屎戸、上通下通婚、馬婚、牛婚、鶏婚、犬婚の罪を様々に求めて祓った」って、あんたスサノオじゃないんだから。。。2019/02/26
きのこ
3
話が飛んでる部分があって少し読みにくいですが、おもしろいです。考古学と文献史学の重なりあう部分に興味がある方にオススメします。ちょっと説が古い部分もありますが、入門としてなら気にならないと思います。2012/02/04
bittersweet symphony
1
歴史考古学の泰斗 森浩一(1928-2013)さんの訃報が先日伝えられました。本書は朝日新聞の月刊誌「論座」に連載されていたものをまとめたもの(文庫は05年発売)、未読本棚から。記紀に記載されている天皇家を中心とした物語を、考古学的な知見から跡付けていくといった内容。中華や朝鮮との物理的・精神的交流が古墳時代以前から連綿と解きほぐしがたいレベルで続いている事を如実に感じさせる内容。サブカルチャー絡みでは安彦良和さんの古代日本史ものの種本のひとつと言う事になりますか。2013/09/17
Junko Yamamoto
1
戦後の記紀の否定への反論は納得。ただ、時々邪馬台国畿内せつに感情的な反発が見られるのは残念。2017/06/06
Jimmy
1
なぜだか読みにくく手間取りました。しかも考古学の立場から記紀を読み直す、という本来はすごく魅力的な作業なのだが、どうも面白くない。やっぱりそのアプローチは白石太一郎さんの方が面白く、読みやすかったですね。 2011/08/22