内容説明
風俗、習慣、歴史、文化、経済…世界各国の教科書の中で日本はどう教えられているのか。比較教科書研究の第一人者である著者が、その実状を詳細に分析、報告。同時に、日本の教科書は世界の国々をどう教えていくべきかについても考察する貴重なレポート。
目次
子どもと教科書
世界の教科書にみる日本記述の変遷の概要
各国別にみた日本記述の具体例
アメリカの社会科教科書
国を教えるとは何か
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
boyblue
3
世界から日本、日本人がどう見られているか教えてくれる非常に興味深い本。多分、日本人が思っているほど日本は世界に知られていないことに愕然とし、冷静な分析には耳が痛いはずだ。教育とは何かも考えさせられる。例えば社会科。社会科は地理、歴史、公民から構成される。でも人が存在しない地理はないし、地理が存在しない歴史もない。なぜ学ぶか、どうすれば興味を持つか日本の教育は考えるべき。龍馬伝を見て、なぜ観光客が殺到するのか。土佐の地形が変わったわけではない。人がその歴史を感じ、認識が変わったんだよ。2010/05/28
小原なお美
1
読んだのは、文庫版ではなく、単行本なので、中身が微妙に違うかも。（単行本は現在入手できないらしく、出てこない）2016/04/14
mikky32
1
大人になってからいろいろ本を読んで、「この本を中学生や高校生の頃に読んでいたらもっと学校の勉強に興味を持てたのになあ」と思うことがよくある。中高生の頃の教科書、特に社会科系のものは、広く・浅く、覚えるべき用語を全部盛り込むことが目的で、興味をもたせようとか楽しませようという気は全く感じられなかったけれど、まあ教科書ってそういうものだろうと思っていたので、世界の教科書の状況を知ってとても驚いた。ソクラテスに関する説明の、日本とアメリカの教科書の比較部分がこの本のいいたいことのほぼ全てを表していると思う。 2012/01/26
alphanri
0
古本屋さんでふと目に入ったので読んでみました。 感想を一言で表すと「おもしろい」 いや、本当に面白いんですよ、この本！私達は日本人なのでもちろん日本の教科書なら知ってますが、世界の教科書って全然違います！何がどう違うのかは是非この本を読んでみてください！ 世界の教科書だけでなく、他国の教師が日本のことを生徒に教える方法の一例も載っています。 ただ、本書の第一刷が1999年なので、10年以上経った今では変化があるのかもしれません。最近の世界の教科書は日本をどう教えているか、気になりますね(^^)
水無月十六(ニール・フィレル)
0
世界の教科書記述から日本がどう見られているのか、教えられているのかについてまとめられた本。国ごとに特色があって面白い。百戦危うからずの己を知る部分を客観的目線から行うようなものだと思う。ヨーロッパからアジア、アフリカまでの各国の教科書がどう位置付けられているかなどもわかって興味深い。各国語で描かれているはずの教科書を訳すのを一人でやったのだろうかと疑問は残ったが、教科書から世界の歴史観などが見られて面白かった。2016/06/07
