朝日文庫<br> ぼくたちの洗脳社会

朝日文庫
ぼくたちの洗脳社会

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  • サイズ 文庫判/ページ数 267p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784022612441
  • NDC分類 304
  • Cコード C0136

内容説明

経済万能社会は、もはや終わった。時代は今、多様な価値観により支配しあう“自由洗脳競争社会”への転換期を迎えているのだ!新たな文化論の旗手としての若者の支持を得る著者が、洗脳力がもたらす変化と幸福を説く異色の現代社会論。

目次

1章 パラダイムシフトの時代(百年前の未来;西暦2001年のオフィス;技術の進歩は社会常識を変える ほか)
2章 マルチメディア中世(消えた古代都市;パラダイムシフトの時代;人間のやさしい情知 ほか)
3章 洗脳社会とは何か(油まみれの海鳥;「洗脳」とは何か?;マスメディアの洗脳 ほか)
4章 価値観を選択する社会(洗脳社会のキーワード;人を「中身で判断する」とは;価値観で判断される個人 ほか)
5章 新世界への勇気(今、起きつつある「変化」;失楽園;新世界への勇気)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

なかしー

79
オンラインサロンが流行っている理由が分かる本 今後の経済はお金の価値が失われて、人の評価が中心となる社会となる。 Kindle unlimitedにある同著「評価経済社会」の原典。 1995年出版なのでTwitterやSNS等の言葉が産まれる前の時代なのでかなり抽象的な表現で分かりづらいけど、「これは〇〇の事を言っているのかな?」とパズルのピースをはめる様に読んだ。 この時代でここまで予想した著者の分析力には脱帽。 気になる方は現代の言葉に修正&加筆した「評価経済社会」を読んで頂けば十分かと思います。2020/02/01

harass

77
岡田斗司夫の初著作(1995)の文庫本。洗脳、人間の価値基準を発信するのはマスコミだけではなく、個人でもネットで可能になり、お互いを洗脳しあう社会が来ると予測。それが当たり前の社会はどうなるのかを考察。当時はマルチメディア()が持て囃された時代で、インターネットは普及前で、パソコン通信の状況を踏まえている。現状から見るとやや外れているが、歴史の流れや主張を敷き詰めて語っていくのはさすがに上手い。壮大であるが抽象的なところが多く、一本調子に感じ、凡庸なビジネス書や宗教書のように感じる。2018/08/15

サイバーパンツ

18
自由洗脳競争社会とは、誰もが情報の発信者になって、互いに洗脳(価値観の共有)し合える社会のこと。このような社会では、個人の価値観は島宇宙化し、選択肢も自由になる。しかしその反面、メディアによる洗脳≒大きな物語の効力は喪われ、私たちは、以前よりも自分で思考することが必要となるだろう。理論にデータ的裏付け等はないが、社会分析としては先見性があり面白い。また、今後の岡田の主張はデビュー作の本書を根幹にしており、オタク・イズ・デッドやいいひと戦略、評価経済社会なども本書からの派生概念だろうという面白い発見もある。2016/09/14

中年サラリーマン

15
オタク学の権威としてぐらいしか知らなかったが、本書を読むと著者の頭の良さがわかる。農業革命を経ての中世社会、産業革命からの資本主義社会、そして現在情報革命からの洗脳社会になりつつあると1998年に述べている。洗脳社会では「情報あまり」の時代。が、情報量が多いということではない。情報の解釈の仕方が無限に増える時代のこと。誰もが自由に情報を発信でき考え方を伝えることができる。受け取る側も無限の情報提供者をもつことに。ゆえに個人が「本当の自分」を探す意味がなくなる。複数の自分を持つのがあたりまえになるのだ。2014/03/23

aiken

14
1998年の本。電子にて。面白い。20年以上も前にこういう世界観を持つ著者の先見性に感心した。現在は、「モノ余り時間不足」の時代から「モノ不足情報余り」の世界へシフトしているそうだ。その情報はメディアからの一方向ではなく個人同士の双方向となり、お互いがお互いに影響を及ぼし合う洗脳社会となる。まさに現代社会はそうなった。というかこの本と著者の影響もかなり大きいのではないかと感じた。もう元には戻れないと著者は言うが、このシフトも繰り返してきたのが人類の性で、再びモノが余る新大陸を見つけてしまうかもしれない。2022/02/22

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