朝日文庫<br> 新ルポ・精神病棟

朝日文庫
新ルポ・精神病棟

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  • サイズ 文庫判/ページ数 331p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784022604941
  • NDC分類 916
  • Cコード C0147

内容説明

弱者を利潤追求のタネにする宇都宮病院のでたらめぶりは、1984年3月に発覚した二つのリンチ怪死事件によって、内部の日常的暴力・患者の奴隷労働・院長一族の法人私物化などで次々と明らかにされた。本書では、その実態を詳細にルポする一方、良心的な病院が解放病棟で、患者の社会復帰をも含めた治療の道を探りつつある動きを紹介し、精神病棟の未来図を描く。

目次

第1部 検証宇都宮病院(松葉杖の訪問者;奇怪な死2件;白衣の患者;“研究のお相手”たち;悪徳の条件;裁きの場で;資料石川文之進被告に対する一審判決)
第2部 「宇都宮病院」をなくすために(入院51回!;アルコール症専門病院;分裂病の軌跡;吹き抜けのある病棟;十人力の病棟;実名で生きる)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

298
前半は、1983年に起きた2件の患者死亡事件に端を発して明るみに出た宇都宮病院(精神病治療を専門とする)の恐るべき実態のルポルタージュ。本書を読む限りは、ここに収容されるなら監獄の方が数段マシとしか思えない。看護師による鉄パイプや木刀による患者への日常的な暴行や虐待など、およそ信じられないような内容だ。しかし、それがまさに実態だったようだ。後半は、通院でアル中治療の実績を上げる釜ヶ崎の小杉クリニックや、開放病棟に踏み切った群馬県太田市の三枚橋病院などの良心的な精神医療が紹介される。本書は30年も前の⇒2016/05/01

Aster

11
先に「新」の方を読んだ。最初から宇都宮病院についての詳細が述べられていたが、まぁここまで酷いことがよく出来るなと。ちょっと人間そのものが怖くなりました。詳しく知りたい方は調べてみてください。(割と有名なのかな?)30年以上前の話ではあるんですけど。 後半は精神病棟の現状、精神病患者の病院での扱い或いは世間体。今はもう精神病患者に対する風当たりも弱くなっているのかなと思ったけれど、全くそんなことは無い!これだけは言える。精神病の患者を病人として以前に人間として尊重出来ているか?今の社会出来ているはずがねぇ2019/06/28

イボンヌ

9
単行本は1985年に刊行されてるようです。 劣悪な精神病院の一端が垣間見れ、絶句します。しかもそれ程遠い昔の事では無い。 仕事で都内の殆どの精神科病院には訪問しています。 誰もが罹患する可能性を持っています。2022/06/04

花梨

3
非常に分かりやすい上に丹念に取材している印象。前作『ルポ・精神病棟』で1970年に実際に潜入取材しただけあって説得力が増す。この本は1985年に書かれていて、第一部は宇都宮病院事件の経緯が詳細に書かれている。第二部は精神医療の変化した部分をかなり希望を持って書かれているようだ。しかし、変化したのか疑問だ。2022年刊行『ルポ・収容所列島』によると病院から退院出来ても、行政側とグルになり貧困ビジネスのような搾取システムがあるようだ。「良心派」が増えて、潰されないような仕組みが必要だと強く感じる。2022/07/02

より

1
★★★2018/04/19

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