内容説明
漱石、虚子、羯南、鼠骨ら、子規と彼を取りまく人々が生きた十九世紀最後の日々。政治腐敗、都市化の歪み、メディアの跋扈、軍靴の響き…。いま再びめぐりきた世紀末を映す、あの時代の風景。―明治を描いて白眉の歴史物語が全面改稿、1000枚の大作によみがえる。
目次
一月―外国人
二月―女
三月―公害
四月―鉄道
五月―東京
六月―教育
7月―マス・メディア
八月―アール・ヌーヴォー
九月―アジア
十月―都市と農村
十一月―戦争
十二月―天皇
その後のこと
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
iwasabi47
1
99年刊。87年の増補。元稿に1900年当時の子規と周辺の人達の動きを足す。元々章立てされているトピックが数年~十年の経過を描くで、1900年一年間の子規達の動きとズレて読みにくい。ただ子規の弟子鼠骨の動きや新聞『日本』との関わりが合う部分は面白い。基本は賄賂労働問題鉱毒疑獄、政府横暴の話が続くので辛い。最後の章で様々な事象が合わさる筆致は流石。子規の俳句史の仕事を纏めた鼠骨や宵曲の話はいい話。2022/12/05
i-miya
0
一月 外国人 アメリカの船乗り ミラー 横浜で人を殺すという事件あり 東京根岸鶯横町 子規庵がある 母 八重 妹 律 1/1 子規34歳 四枚引きのガラス戸 陸羯南 1900=M33 子規=ほととぎす 鳴き声が血を吐く声に似ている 石川啄木=15歳 伊藤左千夫(37)=伊藤卓次郎 本所萱場町で牛を飼う、牛乳を売る 「歌よみに与ふる書」 1/5 幸徳秋水(30) (伝次郎) 「万朝報」 正月1週間 差別もなく自由で平等になれるから正月はうれしい 坂本慶次郎(35) 鍛冶橋監獄の中で年越2008/08/04