内容説明
現代世界を動かす「開発」神話の司令塔世銀。知られざるこの超国家機関の組織・人・世界観そして教義を解明する。
目次
第1章 世界銀行の創設―ケインズの描いた構想
第2章 もう一人の創設者―マクナマラの遺産
第3章 構造調整―第三世界は救済されたか?
第4章 偽りの予言―自己正当化のシステム
第5章 市場経済ドクトリン―原理主義者サマーズの開発モデル
第6章 団結心―世銀文化と機構改革
第7章 よい統治―世銀コンディショナリティの影響力
第8章 地球環境―世銀とNGOの主戦場
第9章 知的・金融的複合体―開発の知的リーダーシップとH通りの異端
第10章 王国の支配者たち―マッシュルーム原理
第11章 世界銀行の実体―イメージ問題と改革の可能性
むすび なぜ「あれ」は権力をもっているのか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
在我壷中
2
『世界銀行は地球を救えるか』時間を掛けてゆっくり読んだ「なぜ『あれ』は権力を持つのか」世銀は実際は干渉主義的な政府よりも遙かに強力な干渉主義者である。開発概念の曖昧さ、開発を希望する多くの貧しき国々それらは世銀を正当性を『あれ』の権力の意味を解く。世銀は此からも曖昧な開発概念の旗を掲げ続けて行くのだろう『ショック・ドクトリン』を併読して貰いたいものである。この超国家的で在り且つ民主主義的でない機関は実は教会、それも中世の教会と大変似た機能を果たしている。自己欺瞞、私には今日の我が国メディアを詭弁欺瞞偽善と2014/06/16
中島直人
2
著者の(少なくとも過去の)世界銀行嫌いがよく分かる本。同じ主旨の主張が何度も繰り返されているというイメージが強く少し興ざめ。最近の世界銀行についての著作も読んで比較して見たい。2013/08/28