ゼラニウム

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  • サイズ B6判/ページ数 180p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784022577023
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

水と女と静謐なユーモア。日常の揺らぎを転写する、あたらしい散文のかたち。

著者等紹介

堀江敏幸[ホリエトシユキ]
1964年、岐阜県生まれ。作家・仏文学者。現在、明治大学助教授。1999年『おぱらばん』(青土社)で第12回三島由紀夫賞受賞。2001年『熊の敷石』(講談社)で第124回芥川賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

naginoha

48
図書館の除籍本から拾ってきた本です。舞台はほぼフランス、フランス語を得意とする日本人男性と、フランス人女性との関係を描く6編の短編。美しい表現、異国情緒、ふとしたきっかけに関わりを持つ異国の女性。なんかこうなると性的な方向にいっちゃうのかなと思うけど、そうはならない。その辺はあくまで冷静なので、村上春樹みたいな美しい表現だけど下品にはならない(ファンの方すいません💦)。その辺好感が持てるし、格調が保たれています。ちょっぴりユーモアもあってクセになりそう。他の作品も読んでみようかな。4/52021/03/26

よこたん

48
“さくらんぼの味がひときわ濃かったり、他のどこよりも甘いと思ったとき、その下になにかが埋まっていると考えた方が理にかなっている、と。” 淡い色彩をまとってさらさらと細長く、水のように流れていく、堀江さんの文章はいつもながら涼やかで、暑いさなかに渇いた心身をそっと潤してくれるようだ。私がいる場所からは遠く離れた場所で、ちょっと奔放なくっきりとした女性に翻弄される彼の戸惑いを、そっと双眼鏡で眺めているような気分で読んだ。「薔薇のある墓地」「さくらんぼのある家」「砂の森」が好き。翻訳小説を読んでいるみたいだな。2018/07/15

クリママ

47
「表題作含む6編の連作短編。うち5編はパリに住む若い、著者かと思われる男性の視線。日常の中の非日常。長い一文の情景描写は鋭角的で難しく、どこまで読めているのだろうと思いつつも、その中には心情も投影されているように感じる。物語は、深い後悔であったり、ささやかな救いであったり、滑稽なじれったさであったり。「なずな」や「いつか王子駅で」で描かれる穏やかな日々でではなくても、この魅力的な作品を再読したいと思う。2021/11/07

アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯

22
短篇集。主人公の日本人男性、パリで、日本で、出会うフランス人女性たち……。帯に書かれた「静謐なユーモア」という言葉が、ぴったり。それぞれの短編の中に出て来る小説も、つい読んでみたくなってしまう。2015/01/10

あつひめ

22
日本だから・・・外国だから・・・と場所で物語が始まるのではなく、どの場所にも似合う物語があるんだなぁ・・・と感じた。えー???なになに???と真剣に読み進めたときの落ちが・・・ふぅ~・・・と力が抜けてしまうようなものだったり・・・でも、そこに赤い唇がニヤリと片端をあげている。ただじゃ終わらせない作品集だ・・・と思いました。ちょっとアチコチ旅行した気分にも浸れました。2010/10/08

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