人が見たら蛙に化れ

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  • サイズ B6判/ページ数 544p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784022576866
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

美か?ゲテモノか?妖怪か?幻のお宝を追って、九州の山里から、萩、ヨーロッパへと、三組の男女のさすらい旅…。モノ恋いか、人恋いか、美の蛙と道行きの切なくておかしい初の骨董小説。

著者等紹介

村田喜代子[ムラタキヨコ]
1945年、福岡県生まれ。1985年、自身のタイプ印刷による個人誌「発表」を創刊。『鍋の中』で1987年芥川賞、『白い山』で1990年女流文学賞、『真夜中の自転車』で1992年平林たい子賞、『蟹女』で1997年紫式部文学賞、『望潮』で1998年川端康成文学賞、1999年『龍秘御天歌』で芸術選奨文部大臣賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

なゆ

66
ガラクタのようでお宝、値段なんてあってないような骨董の世界。ここでは、業者の市で品物を競り落とす骨董屋の馬爪、各地の旧家に眠る骨董を買い取っては競りに出すハタ師の飛田夫婦、窯跡などで陶片などを掘り出しては市で売りさばく盗掘屋の萬田と、それぞれフィールドの違うお宝探しの悲喜こもごもといった感じか。ほほぅと思わせることも随所にあるし、なかなかにワクワクと面白かった。盗掘屋と文化財課のバトルも、マニアに愛でられたほうがいいのか歴史資料的価値かとふと考える。〝海揚がり〟や沈没船のロマンと、骨董の世界は奥が深い。2016/06/01

榊原 香織

63
ちょっと危ない骨董の世界 ハタ師、盗掘師、一歩間違うと犯罪者になりかねない後ろ暗さ フーテンの寅さんのお仲間みたいな世界で冴えない。 そんな彼らも実は”美”を追い求めている。 一生に一度銘品に出会う夢。 3組のカップルの話が交差。 元禄人形を求めてイギリスまで行っちゃう人も。 読ませる。さすが村田女史。 題は一茶かと思ったら青山二郎から2022/05/24

ふう

29
骨董を扱うヒトにもいろいろといるんだ、と面白く読んだ。ものを見る目に自信がないから、モノそのものより故事来歴を有り難がるきらいもあってわかりやすいモノサシ=お金になってしまう。数見ると目が肥える、というけれど、いいものを見るには軍資金も必要。でもとりあえずは見なくちゃ始まらないな。2023/06/23

take0

25
骨董に関わる人達を描いた作品。といって美術館に並べられたり一点数千万もするような品々の世界からは遥かな下方、埃まみれ泥まみれでごそごそと蠢く人間に焦点を当てているのが村田さんらしい。ガラクタ紛いの品物を売り買いする骨董品屋、旧家の蔵に眠る掘り出し物を探して回るハタ師、埋もれた窯跡を人目を盗んで掘り返す堀り師、縁遠い世界を覗き見ているようで楽しく、掘り出し物を発見する場面には胸が高鳴る。三組の男女の行方は何とも苦く、進んでいく女の後ろ姿の強かさと置き去りにされる男達という構図にも村田さんらしさが光っている。2019/01/08

ようこ

22
大事にしている骨董に話しかける、「(自分が居ない間に)人に見られたら蛙になれ」。本書は幾人ものハタ師、骨董店オーナー、陶片の盗掘師が古物に翻弄される話。潰れた窯を見つけて陶片を掘り起こす盗掘師の話の舞台には佐賀の唐津、有田が出てくる。他にも嬉野温泉、武雄温泉ついでに波佐見の名前が1回だけちらっと出たのにちょっと感動。古物といっても殆どが陶器の話で景徳鎮や東インド会社というワードが懐かしい。イタリアやイギリスの観光地がしつこく出てきたのには作家が取材費で行きたかっただけのような気がしてならない。2015/09/05

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