内容説明
東京に戻った三年後、“おれ(坊っちゃん)”は、山嵐から赤シャツの死を知らされる。真相を求め、再び四国へ向かう二人だが…。漱石作品に浮かび上がるもう一つの物語。第12回朝日新人文学賞受賞作。
著者等紹介
柳広司[ヤナギコウジ]
1967年三重県生まれ。2001年、本作品で第十二回朝日新人文学賞を受賞
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感想・レビュー
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アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯
47
青空文庫の『坊ちゃん』を先に読んで予習ばっちり。『坊ちゃん』を下敷きにしたパロディミステリー。東京へ戻って鉄道技師として暮らしている坊ちゃんが偶然再会した山嵐から赤シャツが自殺したと聞かされ死の真相を探るため再び松山を訪れる……。あのべらんめえ口調で原作の台詞や出来事が端々に出てくるので、読みながらニヤニヤ。ストーリー的には、ちょっと首を捻る部分もあるけれど、全編を貫く坊ちゃんの気性と清への愛にはしみじみとした。2016/04/17
とも
31
★★★✩面白いというよりは うまい、ほんとうに漱石の続きを読んでいるよう。それを上手にミステリー調に仕立て上げた、そんな一冊で作家の手腕に感服。2015/08/20
青蓮
24
夏目漱石の「坊っちゃん」の3年後を舞台に書かれた作品。漱石の「坊っちゃん」が好きなので、楽しんで読めました。「吾輩はシャーロック・ホームズである」も読みましたが、作者の漱石好きが伝わってきます。これを機にまた「坊っちゃん」を読み返したくなりました。ただ、ラストがちょっと駆け足な気がしたのでもう少し丁寧に書かれていたらなぁ、といささか残念。でも面白かったです。2013/08/05
みっちゃん
23
「坊っちゃん」の真相はこうだったんじゃないかと思うほど真に迫っている。面白かった!2016/01/03
よし
21
先日「坊ちゃん」を読みました。私が図書館に借りに行くと、制限いっぱいの本を借りてきます。現在、図書館に別の本を予約しています。予約待ちの状態で一人前です。なので主人に返しに行っていただきました。次の本との空きの間に読む為に「何か借りてきて」とお願いし、この本を借りてきました。「坊ちゃん」の続きみたいな感じで読め、物の見方によって だいぶ違うように受け取ることが出来ることを改めて感じました。2016/02/09