天国までの百マイル

天国までの百マイル

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  • サイズ B6判/ページ数 267p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784022572950
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

経営する不動産会社を潰してしまった城所安男は自己破産者となり、別れた妻への仕送りにも頭を悩ます日々を送っている。そんなある日、狭心症で入院中の母を見舞った安男は、主治医から母の心臓が極めて危険な状態であることを知らされる。安男は母の命を助けるために、天才的な外科医がいる千葉県鴨浦町のサン・マルコ記念病院をめざして、オンボロ・ワゴンで百マイルの旅に出た…。バブル崩壊による自己破産、離婚、子供たちとの別れ、そして重い病を患う老母―病める現代社会を象徴する家族の問題を描く、小説トリッパーに好評連載された直木賞受賞後初の長編小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ともくん

45
[再読] 人は、大切な人を助けるためには命懸けになれる。 自らの命と引き換えにしても、助けたい命。 例え、助かる見込みが無くても、自分の命を差し出すことができるだろうか。 あなたには、自分の命を賭けるほど大切な人はいますか?2022/07/13

名古屋ケムンパス

41
落ちぶれた中年男の安男、重篤な母の命を救うためオンボロ車を勧められた片田舎の病院に向けて走らせた。主治医の見送りに「おかあちゃんを乗せて百マイル走ります。…ほんとに、ありがとうございました」とお礼を繰り返す。受け入れてくれた病院の敏腕医師は「病気に打ち克って生きるのは人間の権利、それを支えるのは医者の権利だ」とまさに神の言葉を吐く。息子らを常に気遣う母の想い、諦めたはずの別れた妻からの告白、そして何より、どん底の安男を支えた愛しいマリの心根に触れて、何度も何度も眦に涙を溜めていたのは実は読者の私だった。2014/12/15

ちゃんみー

38
俺、こーゆーのに弱いわっ。ころちゃん、この本教えてくれてありがとう(^^) 登場するヤクザ者がいい人で、マリがいい人で、外科や内科の先生も、みーんないい人で、気持ちがいいよっ! 自分の境遇にも似てるところがあって、グイグイ引き込まれちゃいました。そしてグスグスって鼻すすっちゃいました(^_^;) 親が子を思う気持ち、子が親を思う気持ちが伝わってきて、良かったよ。最後もキュンってしちゃうぐらいの終わり方で良かった(^-^)2013/04/15

クサバナリスト

21
”母の思い”そして”マリの思い”・・・とラストに向け感動しながら読み進めていたら(電車内で座って読書していたら)、斜め向こうに立っていた酔っ払いのオジサンが突然頭から床に倒れて、一気に現実に引き戻され興ざめした。物語は良かったのだが、ガッカリ。2015/08/28

湖都

18
タイトルから泣かせる本だということは察していたが…やはり泣かされた。数十億の金を動かしていた会社社長から一転、自己破産し、離婚して家族と別れた安男が主人公。心臓を悪くして瀕死の母を助けるため、名医がいるという病院までの100マイルをオンボロ車で走る物語。実際走らせているページ数は少ないのだが、この100マイルが安男を蘇らせた。母、2人の名医、マリ、元妻の英子などの言葉や行動が、派手ではないのにじわじわと染み込む。もう少し年をとったら自分に重ねてもっと泣いてしまうだろうから、今のタイミングで読めて良かった。2018/12/15

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