出版社内容情報
早雲・氏綱・氏康・氏政・氏直の五代百年にわたる北条氏の興亡を描いた歴史巨編。伊勢新九郎盛時(後の北条早雲)は今川家の内紛を取りまとめ、やがて伊豆・相模を平定する。早雲を継いだ第2代・氏綱は武蔵・駿河にまで進出し、北条家の地歩を固めるが……。
内容説明
火坂雅志急逝による未完の大作を伊東潤が引き継いで完結。早雲・氏綱・氏康・氏政・氏直―百年にわたる興亡を描き切る!!
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
205
火坂 雅志は高校の先輩ということもあり、コンスタントに読んで来た作家でした。絶筆の本作を、新作をコンスタントに読んでいる伊東 潤が書き繋いだということで読みました。 上巻の第一部は、火坂 雅志作、後半の第二部から伊東 潤作、一気読みしました。続いて下巻へ。トータルの感想は、下巻読了後に。 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001115.000004702.html2020/12/29
とん大西
133
「箱根の坂」を読んで以来、戦国のリードオフマンとなった北条早雲は大好きな武将の1人です。その早雲、物語の始まりは伊豆侵攻、そして足利茶々丸討伐。時は1400年代末期、室町秩序が崩壊しだした混沌の世。新時代への野望を抱く早雲、父の夢を継いだ氏綱、覚醒する氏康。あたかも大河ドラマを見ているかのような読み応え。関東の覇王・北条の栄枯盛衰100年、上巻は正にその前半50年。若干の駆け足は致し方なし。やはりそれ以上に魅せる両巨頭の絶妙で精巧な筆致。祿寿應穩-世代を超えて受け継がれる志と葛藤。見事なまでの臨場感です。2021/01/11
Willie the Wildcat
73
「正義」を礎とした財力、武力、そして権力。大徳寺と幕府での学びで、夢の実現を描く。硬軟を織り交ぜた戦略の忍耐強さと、禍根を残さない継承の心底にも正義、「祿壽應穩」也。大義のための権威付けも同様、氏と官位。後継者の育成過程も印象的。キモは、陳外郎定治から氏綱への助言、得るモノ/失うモノの件。幻庵と林太郎、北条家内外の知恵袋が、如何に三代目・氏康以降が醸し出すそれぞれの「個」を活かすのか。大望に向けての一手と、迎える北条家”終焉”過程が下巻の見どころ。2021/06/16
Die-Go
70
図書館本。戦国時代の関東に覇を唱えた北条氏。その百年に渡る戦いを火坂雅志が絶筆として描き、伊東潤が後を次いで描いた。上巻は早雲、氏綱、氏康までの三代。途中で筆者が代わっているとは思えないほど、自然に受け継がれている。下巻が楽しみ。★★★★☆2021/05/08
kawa
48
北条早雲を始祖とする後北条家の物語。上巻の終盤から、亡くなられた火坂氏の遺稿をリレ-する形で伊東氏が引き継ぐ。早雲は司馬先生の長編「箱根の坂」が圧倒的なのだが、こちらは北条五代ということで、歴史の大きな流れで東国の騒乱を如何に下巻で描くか興味のあるところ。直前に読んだ「足利の血脈」と重なる史実もいくつかなのだが、印象が全く異なるのも興味深い。2021/02/11