出版社内容情報
【文学/日本文学小説】法務官僚の神谷道雄が殺害された。警察庁警備局の隼瀬は神谷が日米合同委員会に関わっていたこと、キンモクセイという謎の言葉を残していた事実を探り当てるが……。日米関係の闇に挑む、著者初の警察インテリジェンス小説。
今野 敏[コンノ ビン]
著・文・その他
内容説明
法務官僚の神谷道雄が殺された。警察庁警備局の隼瀬順平は神谷が日米合同委員会に関わっていたこと、“キンモクセイ”という謎の言葉を残していた事実を探り当てる。神谷殺害事件の専任捜査を極秘に命じられる隼瀬。しかし警視庁は捜査本部を縮小、公安部も手を引くことが決定される。やがて協力者である後輩の岸本行雄の自殺体が発見されるが…。日米関係の闇に挑む本格的警察インテリジェンス小説。
著者等紹介
今野敏[コンノビン]
1955年、北海道生まれ。上智大学在学中の78年に「怪物が街にやってくる」で第4回「問題小説」新人賞を受賞。レコード会社勤務を経て、作家業に専念する。2006年に『隠蔽捜査』で第27回吉川英治文学新人賞、08年に『果断―隠蔽捜査2』で第21回山本周五郎賞、第61回日本推理作家協会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
273
今野 敏は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。キャリア官僚、国際謀略と著者としては新鮮味があり、快調に飛ばしましたが、最後失速しました。大風呂敷を拡げると、上手く終息させるのが難しいのかも知れません。謀略はありませんが、我が家の庭には金木犀の樹が一本あります(笑)2019/01/15
ケンイチミズバ
166
追う者が追われる側に、取り締まる側が取り締まられる者になって初めて気付く法律運用の盲点と危うさ。使う側に都合よく解釈できる法案が権力に乱用されれば無実の人間を有罪にもできる。国民のためと口にするは落ちこぼれ官僚、優秀な官僚はミスをしない官僚、出世、保身のため見て見ぬふりする官僚だ。公務員の評価は減点法、ミスしないことが大事なんだ?だからこの国は衰退していくのではないだろうか。現実に財務省の役人が自殺した。しかし直属の上司や所管の政治家は冷たい鉄面皮ではないか?iPhoneは米国に傍受されてるよね。きっと。2019/01/07
初美マリン
122
なかなか話が進まないと思っているうちに、このキンモクセイがテーマだとわかった、国民を守ることに目覚め、立ち向かう官僚逹、やはり読後感は、とてもいい2019/04/18
雅
114
今野作品としては珍しく政治色が強く主人公がちょっと情けない感じ。真相を追求しながらも途中からは逃走していくパターンも珍しく、これはこれで楽しかった。終わり方からするとシリーズ化するのかな⁉️2019/12/22
金吾
100
○国家的陰謀に巻き込まれた官僚の話であり、インテリジェンスの凄さと恐ろしさが伝わりました。誰が味方かわからない状態でのテンポのいい話の展開は面白かったです。ただマスコミの評価は疑問を感じました。2021/10/07