ぼくがきみを殺すまで

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  • サイズ B6判/ページ数 256p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784022515384
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

月の満ちぬ地ベル・エイド。囚われの身である青年Lは敵の兵士に語り聞かせる、かつて友人ファルドと過ごした日々のことを──。少年が武官養成校を経て戦場に出るまでを描く物語。反響を呼んだ新聞連載の表題作に、対となる中編を加えた鮮烈な小説集。

内容説明

月が満ちることのない地ベル・エイドのLは、敵方ハラの捕虜となっていた。Lは敵兵に語り聞かせる、ハラの友人ファルドと過ごした森と草原の日々のことを…。学校は閉鎖され、家族を喪くし、少年は兵士になった。素朴で満ち足りた暮らしが大きなものに覆されていく。そのさまをつぶさに苛烈に描き、話題を呼んだ朝日新聞連載の表題作。対となる中編「Kの欠片」を加えて編む。

著者等紹介

あさのあつこ[アサノアツコ]
1954年、岡山県生まれ。青山学院大学文学部卒業。大学在学中より児童文学を書き始める。小学校講師ののち、作家デビュー。97年『バッテリー』で野間児童文芸賞、99年『バッテリー2』で日本児童文学者協会賞、2005年「バッテリー」シリーズで小学館児童出版文化賞、10年『たまゆら』で島清恋愛文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

195
あさのあつこは、新作中心に読んでいる作家です。舞台は、中近東もしくはアフリカでしょうか?内線が厳しい国の悲しいファンタジー、日本が何て平和ボケしているのか感じさせる作品でした。百田尚樹より、ある意味リアルです。2018/05/21

いつでも母さん

192
油断をしていると、あさのさんはこういうのをぶつけてくるんだなぁ。読み終えてから装画がなんとも切なくて・・あゝ世界から戦争が紛争が無くなればいいのに。こうしなければ生きられない世界ならどうしたって子供だもの選択など出来ないよね。これは今、世界のどこかで行われている話かもしれない。これからこの国で起こりえる話なのかもしれない。『生きるため』なんだけれども、生きる事が辛くなると思えるのは私が平和ボケしているからだろうか?この連作2編のラストをどう読むか、試されているような読書だった。2018/04/10

chimako

90
戦争は狂気である。人の心と命を殺す凶器でもある。ある者は恐れおののき、ある者は扇動され洗脳され、人殺しを奨励し、喚起し、歓声を上げる。馬鹿げていることは承知の上で銃を取り、構え、照準を合わせる。子どもたちの未来を根こそぎ壊し、死ぬことが生きることよりましだと、楽だと、思わせる。一番信頼し愛していた父親に裏切られるKはそれでも最後に美しいものを見る。捕虜になったLは敵国の兵士と胸を割って話をする。胸の奥を乱されたまま本を読み終え、人は何故に今この時も不毛な戦いを続けているのかと憂鬱な気持ちになる。2018/09/10

ゆみねこ

77
戦場に出た少年たち。学校も市場もある日突然閉鎖され、家族を喪い少年は兵士に。国と国との無益な戦いで喪われる命が切なかった。2018/09/14

けんとまん1007

72
言葉とは?意思疎通とは?を考えた。解釈の小さな違いが、大きな違いになり、戦争にもなりうる。もちろん、それだけはないだろう。しかし、基本はそこへ立ち戻るのだろうか。そんな言葉を奪われてしまうと、人間はこうも変わってしまうのか。。。2018/06/09

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