出版社内容情報
国家とは?民族とは?宗教とは?
思想と現実、過去と現在・・・。該博な知識と豊富な体験とが織り成す「知」の世界への案内。
『国家の罠』をはじめ、ベストセラーを連発するあの佐藤優と、『差別と権力』などの話題作で名高いジャーナリスト魚住昭が、日本社会の現状を語り尽くす。ナショナリズム、ファシズム、ポピュリズム。思想と現実の両面から日本現代史を解き明かすこう読み物。思想・哲学・思想に通暁する博覧強記の佐藤優と、長い取材執筆経験をもとに、日本の現実を知り尽くす魚住昭との間の白熱の対話。
内容説明
国家とは何か、民族とは何か、宗教とは何か、過去と現在、思想と現実。あの佐藤優と、魚住昭による、知的刺激に満ちた世界。
著者等紹介
佐藤優[サトウマサル]
起訴休職外務事務官。1960年生まれ。同志社大学神学部卒業。同大学院神学研究科修了後、外務省に入り、駐ロシア日本大使館などに勤務。2002年、背任容疑、偽計業務妨害容疑で逮捕。一審で有罪判決を受け、現在、控訴中
魚住昭[ウオズミアキラ]
ジャーナリスト。1951年生まれ。一橋大学卒業後、共同通信社に入り、司法記者として、東京地検特捜部などを担当。1996年からフリーランスに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gtn
14
佐藤氏は蓑田胸喜を「論理と心情をこねまわす天才」と評する。論理的な事柄に、天皇の和歌という情緒を絡ませ、論客の口を封じる。やがて、知識人たちは思考停止になる。そこに、天下の悪法、治安維持法が国体護持の名の下に認知されていく。真に正義の人が殺される。敗戦により国が亡びる。そして、蓑田自死。蓑田の情緒に倣って言おう。蓑田の死は仏罰である。2019/01/31
がんぞ
2
喫茶店と新聞と大衆小説ではじまった民主主義は「ナショナリズムと相性がいい」すなわち宗教が成立させた国家が貧富の差=利害対立があっても一体感を持つために物語と論議の場が必要。社会主義は終わったが21世紀の世界は宗教の呪縛からまだまだ自由になれない。そのなかで「市場原理」だけがもてはやされている。竹中改革は要するに貨幣至上主義であり、その体現「ホリエもんの逮捕は天皇という触れてはならないものに言及したからではないか」とすれば日本は神聖政治か。光市母子殺害事件上告審弁護士バッシングに言及を死刑確定の日に読む暗合2012/02/20
おとやん
2
宗教から地理的関係、ポピュリズム、ファシズム何度も読み返したくなる本です。2010/05/28
mym
2
佐藤優氏の語りが圧倒的。真意を理解するために、もっと自分は勉強が必要だと強く感じた。しかしそのような自分にも思うところがある、そのように語られているのがさらにすごい点。2010/02/08
amanon
2
またもや佐藤氏の膨大な知識と鋭い見識に脱帽することしきり。対談者の魚住氏が後書きで述べているように、佐藤氏のように左右の論壇誌から見解を求められる物書きは恐らく一人もいないのではないか。その佐藤氏が最初にその見識の一端を世に問うたのがこの書であり、その輝きは当分は薄れないものと思われる。2009/06/24