出版社内容情報
1950年代に無名の町工場で独自に考案された計算機は,後にトランジスターと結合してカシオの電卓を生み,日本の半導体産業を世界的地位に押し上げた.樫尾四兄弟の試行錯誤を克明にたどり,真の独創とは何かを問う.
内容説明
創造性とは何か、考えるとは何か、困難に立ち向かうとはどのような構えをいうのか―一九五〇年代に無名の町工場で独自に考案された計算機は、後にトランジスターと結合してカシオの電卓を生み、日本の半導体産業を世界的地位に押し上げた。樫尾四兄弟の試行錯誤を克明にたどるノンフィクション。
目次
序章 電卓―わが国電子技術のルーツ
第1章 ソロバン対計算機
第2章 指輪パイプの成功
第3章 計算機に進路をとれ
第4章 試作一号機の光と影
第5章 「電機学校」の創造性
第6章 土壇場の方向転換
第7章 傷だらけのヒーロー
第8章 「原理」に向けられた眼差
第9章 トランジスターの追撃
第10章 技術の潮流
著者等紹介
内橋克人[ウチハシカツト]
1932年兵庫県生まれ。経済評論家。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌を中心に硬派の評論・執筆活動を続ける
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
熱東風(あちこち)
1
四兄弟、それぞれ個性が違う分野で実力を発揮するなんて、戦国時代の島津四兄弟みたいな話が現代にもあったんですね。四兄弟の苦労話はもちろんですが、広田精一のエピソードが強烈に印象に残った。ずっと無個性で、はみ出すことを恐れて生きてきた小生は忸怩とした思いです。2013/09/18
まも
1
日本の計算機黎明期、そろばん・計算尺に変わる電卓を開発した樫尾一族のドキュメンタリー。初めて開発したデスク型の計算機を、北海道で営業するために空輸しようとしたら、規格外で積めずしょうがなく分解して運んだら、本番で動かなかったという逸話がおもしろい。それでも、その技術に先見の明を見出し出資した人がいたというのがすごい。2013/02/28
かりぐ
1
様々な示唆を含んだ良書。下手な自己啓発本を読むよりは数倍いい。カシオが好きになった。2009/05/02
こーた
0
考えるっていいなぁーって、本なんか読んでていいのかなぁーって思いました。2013/07/09