岩波現代文庫<br> 大審問官スターリン

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岩波現代文庫
大審問官スターリン

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  • サイズ 文庫判/ページ数 408p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006023119
  • NDC分類 238.07
  • Cコード C0170

内容説明

革命の父レーニンの後に現われ、人々が「全民族の父」とみなし、神とあがめたスターリン。だが、その正体は自由な芸術を検閲によって弾圧し、政敵を次々と粛清する、さながら中世の異端審問官のような独裁者であった…。同時代人の証言もまじえ、スターリン支配下に現出した恐るべき大粛清の実態を暴き、独裁者の内面に文学的想像力で迫る。『磔のロシア』と同時代の事象を、スターリン権力の側から一点透視法的に描き出す。文庫版には、主な登場人物の紹介付き索引を付した。

目次

第1章 奇跡 大審問官の誕生―一九二四‐一九二九(「栄光」の予感;巨大検閲機関の誕生―前史1 ほか)
第2章 暗雲 二発の銃声―一九二九‐一九三四(集団化の悲惨;進化する検閲 ほか)
第3章 神秘 大テロルの時代―一九三五‐一九四〇(鎮魂歌とユーフォリア;幻のフィルム『ベージン草原』 ほか)
第4章 聖戦 ナチス・ドイツとの闘い―一九三九‐一九四五(大戦前夜の悲劇;レニングラード交響曲 ほか)
第5章 権威 「われは国家なり」―一九四六‐一九五三(ジダーノフ批判―歴史的な決定;映画、演劇、音楽への批判の波及 ほか)

著者等紹介

亀山郁夫[カメヤマイクオ]
1949年栃木県生まれ。東京外国語大学外国語学部ロシヤ語学科卒業。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。東京外国語大学教授、同学長などを経て、名古屋外国語大学学長。専門はロシア文学・ロシア文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

64
スターリンが権力を握ってからその死まで、ソ連全土を襲った粛清の嵐。元来政治文脈で語られる事の多かった大粛清だが、本書は文芸の観点から読み解いた一冊。著者が語るようにコラージュの手法が採られているが、その分全体的な通史より各作家、作曲家を襲った理不尽がより感じられるようになっている。この巨大な政治機構という天災みたいなものを前にして、作家は翻弄されるばかり。押しらむは登場する作家になじみが薄く、知っているのがブルガーノフやゴーゴリ等一部だけなので、十全に読めたとは言い難い事。巻末の人物評はありがたかった。2020/01/13

Nobuko Hashimoto

33
絶対的な存在であったスターリンと芸術家との関係を、先行研究に依拠して文学的に描き出した著作。著者本人が言うように厳密な実証に基づく歴史書ではなく、スターリンが何に怯え、何に執着したのか、その人物像を著者なりに構築し、再現しようとしたもの。そのため幻想っぽいところや推測や想像の部分も多い。没頭しすぎて悦に入っている感じもアリ。全体の構成は時系列に沿っているが、人物ごとに項目が立てられているので、話が若干前後したり重複したりで、時々わかりづらい。とはいえ、細部の事実は大変面白かった。処刑しまくりやなあ…😢2021/01/05

ぱなま(さなぎ)

22
スターリン時代の検閲史が時系列に著されているが、筆者は歴史書としてではなく文学的手法で独裁者の内面に迫ろうとしたという。芸術の価値より政治的ふるまいの手腕で生死を分かたれ、真正面から受容されることのなかったソビエト時代の芸術。年老いるごとに闇を濃くする独裁者の猜疑心と妄想の根源について考えたとき、権力者とはどうあるべきかという問いが表裏となって思い浮かぶ。表現ではなく、いかに理想化された未来を描けるかに価値を置いた社会主義リアリズムの解説も興味深い。本質的に誤ちを孕む過去とは、そこでは何の価値も持たない。2020/01/20

DEE

11
スターリンによる大粛清は罪なき人々を殺すとともに文学や音楽などの芸術にも大きな影響を与えた。 作品がスターリンの意向に沿わず、あるいは誤解のせいで出版されなかったり、時には銃殺されたりと、まさに命がけ。戦った芸術家もいるが、その力に屈したとしても誰に責めることができるだろう。 そしてこんな時代は二度と繰り返してはいけない。 数々の事件の時代背景、歴史書を基にした考察などずっしり重い内容だが、文学的に書くことを目的としているそうなので、自分のような歴史に疎い人間には適した書かもしれない。そして構成が見事。2020/08/29

Ex libris 毒餃子

10
スターリンとソ連芸術家との関わりについて。スターリンが帝政ロシア時代に二重スパイであった証拠「オラフナ・ファイル」を巡るソ連政治家の粛清構造とそれに関わる芸術家の攻防が新鮮な視点だった。「オラフナ・ファイル」と関わらない芸術家についてもNKVDからの監視やスターリンからの圧力で死亡していくのはソ連的。2019/10/22

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