内容説明
分教場に転校してきたちょっと変わった男の子高田三郎をめぐる初秋の東北の物語「風の又三郎」。裕福な家に生まれて法華経に傾倒した宮沢賢治を「のらくらもの」と位置づけ、その仏教的世界観や宮沢父子の葛藤を描き出して賢治童話の代表作を読み解く。勤勉な印象で語られてきた作家像を転換する近代日本の一裏面。書き下ろし。
目次
1 生活の風景と魂の風景
2 遊びをせんとや―のらくらものの社会史
3 朝の紅顔 夕の白骨
4 みんな自分の中の現象
5 マグノリア こころに刻む峯々に咲く
6 日本岩手県イーハトーブの地理学
7 子どもたちのテオファニア
著者等紹介
大室幹雄[オオムロミキオ]
1937年東京に生まれ、早稲田大学・東京大学に学ぶ。専攻は歴史人類学。千葉大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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