出版社内容情報
読解は大意さえわかればよい? そう主張するあなたの英語力をいざ診断.弱点を補強する能率的な学習方法を処方し,英文快読への道を指南します.具体的なノウハウ満載,英語再入門のための最良のテキスト.
内容説明
辞書さえあれば何とか読める―英文の読解についてそう考えていませんか。そんなあなたの英語力を、いざ診断。英語教育と翻訳のベテランである著者が、日本人のつまずきやすい弱点を見抜き、それを補強する能率的な学習方法を処方、英文快読への道を指南します。具体的なノウハウ満載の、英語再入門のための最良のテキスト。
目次
第1章 日本人と英語―現状を分析する(英語への熱いまなざし;大学での学習 ほか)
第2章 対応策を考える―基礎的な英語力をアップするために(大人のための学習法;慣れを育てる―多読のすすめ ほか)
第3章 正しい読解のための12のヒント(気軽に辞書に手を伸ばそう;文脈、前後関係 ほか)
第4章 英文解釈から翻訳へ(誤訳の問題;翻訳への道)
第5章 長文を味わう(The Year of the Greylag Goose(extract)
At the River‐Gates ほか)
著者等紹介
行方昭夫[ナメカタアキオ]
1931年、東京に生まれる。東京大学教養学部イギリス科卒業。同学部教授、東洋学園大学学長を経て、現在東京大学名誉教授
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
袖崎いたる
11
語学は身体認識的な慣れが重要。本書は英文の「快読」には第一に馴致、第二に語彙、第三に技術というような姿勢。この本では主に馴致を勧め、語彙の仕方なさを説き、技術には著者流のための紙幅を割いている。馴致は著名人がたの言質からいっても世間的にも自明であり、語彙もまたそれに漏れない。技術に関しては、長年専門として英語を対象としている人なので、流石に含蓄がある。著者選定の英語の名文も、著者の注も添えて納められているので、この本に齧り付くだけでも読解力は上がることだろう。そしてその先に待つのは快読の快楽なのだろう。2015/09/02
空猫
7
本当の意味で英文を読む、つまり、ニュアンスや行間の意味を拾って作者や筆者の意図を読み取っていくことについての指南書。未知の表現はもちろん、文脈から不整合を感じたときに辞書を細かく参照することを提唱している。前半部、日本の現状を分析するなかでの、喋る速度よりも遅い読解能力と筆談すらできないような英作文能力のままでは英会話など不可能、という指摘は的確で同意。ともかく英語教育の問題は質ではなく量。中学で週180分、普通科高校で週300分、大学の大半はなぜか高校以下のレベルに落ちる――これで身につくわけがない。2015/04/26
かな
7
TOEICやTOEFLのリーディングで満点近くとれるようになり、自分は英語読解が得意と思っていたが、この本をよんでぽろぽろ目からウロコが。英語好きで割りと得意だと思っている人こそ読んでみるといいと思う。今後洋書を読む際の読み方、理解が変わってくると思う。英語に対して謙虚に取り組むことが、上達への最善の道ですね。具体的な英文(誤)解釈の例と上達のための参考書や練習法が明示され、実践的です。2015/03/01
ふぁきべ
6
著者の行方氏の要求水準は非常に高い。明らかな語訳はともかく、英文の正しい理解の項で著者より示された理想的とはいえない翻訳も世間一般で言う英語力を考えれば十分をはるかに超えているレベルで、あくまで翻訳者として訳書を出版するには英語力が足りない、というレベルである。ともすれば英語力の問題というより、日本語の文章能力の問題かもしれない。私にとっては行方氏の英語知識は尊敬以外の言葉は出てこないし、最も尊敬する翻訳家であり続けるが、『先生』が私たちに求めている水準はおそらく一般の英語母語話者を超えている。2019/05/19
柳田
5
私はTOEICでけっこう高得点を持っているのだが、いかに英語ができないか痛感した。これを読んで「おれの英語はけっこういけるぞ」と思った人は相当英語ができる。もう、10年近くやってこれか…という感じ。しかし一方で、受験英語ってありがたかったな、と感じるのは、やはり読み方の基礎はできているのである。訓練の量が足りないのと、あとちゃんとした先生(大学の)について教わったことがない。今も教わってないが、なかなかそういい教師に巡り会えるものじゃない。何も小説を英語でがんがん読むってのじゃないのだから、地道に地道に…2018/01/30