出版社内容情報
「国語」は概念として、いつ、どのように形成されたのか。国民国家を確立しつつ、植民地帝国へと進む明治期の日本が国家統合の要として創出した「国語」。本書は、それをめぐってせめぎ合うイデオロギーの展開を上田万年・保科孝一らの言語思想を軸に克明に跡づけて、思想としての国語の歴史と意味を解明しつくした画期的労作。
内容説明
「国語」は概念として、いつ、どのように形成されたのか。明治期日本の国家統合の要として創出されたのが「国語」であるならば、それをめぐっていかなる言語認識が展開されていたのか。本書は「国語」とそれをめぐるイデオロギーのせめぎ合いの軌跡を上田万年、保科孝一らの言語思想を軸に克明に跡づけつつ「国語の思想」の内実に迫る画期的な言語思想史。
目次
「国語」以前の日本語―森有礼と馬場辰猪の日本語論
第1部 明治初期の「国語問題」(国字問題のゆくえ;言文一致と「国語」;「国語」の創成)
第2部 上田万年の言語思想(初期の上田万年;「国語と国家と」;「国語学」から「国語政策」へ)
第3部 国語学と言語学(忘れられた国語学者保科孝一;国語学史をめぐって;国語の伝統と革新)
第4部 保科孝一と言語政策(標準語の思想;朝鮮とドイツ領ポーランド;「同化」とはなにか;満州国と「国家語」;「共栄圏語」と日本語の「国際化」)
著者等紹介
イヨンスク[イヨンスク]
李妍淑。韓国順天市に生まれる。延世大学校文科大学卒業。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程単位取得退学。大東文化大学助教授を経て、一橋大学大学院言語社会研究科教授。社会学博士。専攻=社会言語学・言語思想史。1997年に本書でサントリー学芸賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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