岩波現代文庫
最新版 法人資本主義の構造 (最新版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 310p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006001384
  • NDC分類 335.4
  • Cコード C0133

内容説明

株式相互持合いによる企業同士の相互支配は、戦後日本の経済社会に独特の構造をもたらした。株式会社の原理に反する法人資本主義は、高度経済成長、石油ショックを経て、バブル経済で頂点に達するが、その後崩れはじめている。本書初版刊行から三〇年、今日の状況を盛り込んで株式会社論の立場から大幅に書き改めた決定版。

目次

法人資本主義とは何か
第1編 株式所有の法人化(戦前における所有構造;財閥解体による分散;第一次集中期(一九五〇年代前半) ほか)
第2編 株式所有の構造(会社が会社の株式を所有する意味;法人所有の構造;株式相互持合い ほか)
第3編 法人資本主義の矛盾(コーポレート・キャピタリズム;矛盾の先進国、日本;批判)

著者等紹介

奥村宏[オクムラヒロシ]
1930年生まれ。1953年岡山大学卒業。新聞記者、研究所員、龍谷大学教授、中央大学教授を経て、経済評論家。商学博士
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

肉欲棒太郎

2
株式の買い占め(乗っ取り)対策として始まった株式相互持ち合いの歴史的な推移を記した第一編『株式所有の法人化』が面白い。本書を読むと、「個人増税・法人減税」のアベノミクスも、法人資本主義の構造に忠実に則ったものであることが分かる。2016/04/13

フクロウ

1
19世紀後半から20世紀前半の個人大株主支配の時代を1期、20世紀前半から後半までの株式分散による経営者支配の時代を2期、20世紀後半以降の法人と機関投資家が大株主になった法人資本主義時代を3期として分析。株式の法人間での持ち合いからの資本空洞化及びモニタリング不全からの、会社の私物化及びバブル経済の発生など、極めて的確に現代日本会社法制の問題の数々を言い当てているように思う。ただ本人めた自認しているように、では現在の株式会社法制以外にどのような代替案がありうるのかの検討は不十分。あるいは読者の仕事か。2022/12/02

Isao Nakasuji

0
近代日本がたどってきた,著者のいう「法人資本主義」の足跡がとてもわかりやすく書かれています。日本独自の「法人資本主義」がわれわれ日本人にもたらしてきた弊害のほうに,より多くスポットライトがあてられています。2012/03/05

Sadahiro Kitagawa

0
日本企業の株式持合構造が形成された明治時代からの歴史的経緯を、詳しく解説する。財閥グループの株主持合は戦後の財閥解体が原因だと思っていたが、戦前から存在しており、戦後も、安定株主工作や高株価経営の流行などいくつかの要因があった。 日本の株式会社は進んだヨーロッパのシステムを相当遅れて導入したものだと思っていたが、ヨーロッパでも、株式会社が特許主義から近代的な準則主義に変わったのは19世紀半ばであり、明治の株式会社設立はヨーロッパのそれとはそんなに時期的な差はなかったというのは意外だった。 2021/12/12

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