出版社内容情報
バリ島の文化に深く根をおろしている魔女ランダと,近代社会の根源的な問い直しを企てる哲学者との豊饒な出会い.〈演劇的知〉〈パトスの知〉〈臨床の知〉を提唱し,既成の知の組換えをダイナミックに追求した書.
内容説明
バリ島の文化に深く根をおろし、演劇の主人公として人々と共に生きている魔女ランダと、近代社会の根源的な問い直しを企てる哲学者との豊饒な出会い。死や痛みを含む「パトスの知」から、二分法的な思考を越え我々の世界観を根底から揺さぶる「臨床の知」、「演劇的知」へ。既成の知のあり方を問い、そのダイナミックな組換えを追求する。
目次
1 魔女ランダ考
2 演劇的知とはなにか
3 問題群としての「子供」
4 原理としての「子供」から「女性」へ
5 仕掛け・文化・暴力
著者等紹介
中村雄二郎[ナカムラユウジロウ]
1925年東京生まれ。哲学者。東京大学文学部卒業。1965‐95年明治大学教授
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感想・レビュー
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らむだ
2
“むろんこの本の狙いそのものは、もっとも端的にいって<演劇><子供><女性><暴力>という、<近代の知>ひいては<哲学の知>が軽視し排除したものの持つ問題性を掘り起こすことであり、そのことによって<近代の知>や<哲学の知>を問いなおすことにある。”というあとがきの言葉通りの本。巻末に人名・事項の索引あり。2013/06/14
bittersweet symphony
1
手元にある同時代ライブラリー版は未読本棚最古参のひとつ。読み始めて佳境に入った所で訃報が報じられて驚く。20世紀には実にたくさんの人たちが西欧近代の知の枠組みを克服しようと活動していたわけですが、その一人という事になります。それが原風景となって久しい今日この頃。2017/09/07
コジターレ
1
読メ登録前に読了。興味深い内容だか、僕にはちょっと難しかった。
s2s
0
悪とはなにか?2005/02/17
atk
0
むかーしむかし、「女性原理」という言葉がもてはやされたことがあって(局地的にだったのかも)、もてはやされた割に内実がよくわからなかったのだが、多分これはネタ本の一つだったのだろう。もしかしたら唯一だったのかも。積年の疑問がはれてすっきり。昔の大学の先生は楽だったなあとか。2009/06/03