出版社内容情報
古代中国の遊説家は並外れた知識で相手を説き伏せる口舌の徒であり,都市を渡り歩く異人でもあった.こうした尋常ならざる弁舌のパフォーマンスは滑稽と呼ばれた.古代中国の政治的言説の世界を活写する歴史人類学の労作.
内容説明
孟子に代表される王に提言する遊説家は並外れた知識で相手を説き伏せる口舌の徒であり、国から国へと旅をし、都市に流入する異人でもあった。こうした尋常ならざる弁舌のパフォーマンスを古代中国では「滑稽」と呼んだ。さまざまな遊説家と逸脱した奇異な王たちを登場させ、政治的言説の世界を生き生きと描く歴史人類学の傑作。
目次
第1章 「滑稽」合戦
第2章 胡服騎射
第3章 覊旅の臣
第4章 進取と自完
第5章 姦人と聖人
第6章 暴君の鏡
第7章 「滑稽」の帝国
付論1 都市的人間―古代中国知識人の行動の構造
付論2 鶏鳴考
著者等紹介
大室幹雄[オオムロミキオ]
1937年東京に生まれ、早稲田大学・東京大学に学ぶ。専攻は歴史人類学。千葉大学教授
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感想・レビュー
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africo
2
古代中国の遊説家や異端の王を中心に、弁舌を奮って古代中国の精神的エトランゼとして生きた人々を描いた本。その異人ぶりへの注目は、日本史学における網野善彦の婆娑羅や異形の人々への傾倒を連想させはする。しかし網野氏に比べ、大室氏は一歩引いて、所詮はみ出し者なので基本的には社会への影響は少であった、とする冷めた視点が心地良い。多少筆が滑りすぎている感はあるが、充分おもしろい。特に孟子の胡散臭さを喝破した第一章だけでも読んでみて損はないはずです。基本的にマジメな本だが、持ち上げた後にけなすテクがちょっと笑える。2012/04/20
fumisikimi
0
難しかったが何か植え付けられた気がする
kskh
0
名著。劇場都市シリーズが絶版なのが残念すぎです。2011/12/25
muko1610
0
★★★★2011/08/23
アレ
0
趙の武霊王の話が素晴らしかった。中国でも文化相対主義が皆無というわけではなかったらしい。2011/01/13