出版社内容情報
言語学はことばについての偏見の由来を明らかにし,それを打ち破り,疎外された人々の解放への回路を発見する学問であるべきだ.柳田国男,カウツキー,スターリンらの思考を分析し,民族と国家という現代の難問に挑む.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
人民の指導者
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大部分がソ連における言語学が果たしたイデオロギー性についての考察に費やされている。とはいえ、ソ連や、ソ連と日本との比較から導きだされる著者の理論は面白い。諸方言の中から恣意的(政治的)に選ばれた一方言が「国語」という規範になり、「文法」や「国語教育」というイデオロギーによって陰に陽にその規範が護持・再生産される矛盾。固有名詞の生成における政治性や「国家語」という国体、「国語」というモダニティによるソ連と日本における様々な抑圧、等々。些末なソ連言語学についての記述も、精読すれば面白かった。2011/06/13
ピリカ・ラザンギ
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国家の言語統制とその与えた影響について、ソ連の話が多め2008/05/18