出版社内容情報
「帝国主義下の台湾」は台湾の経済と政治を帝国主義理論と現地調査を含むデータに基づいて分析し,戦後の地域研究の出発点となった.編者は矢内原の研究方法と時代情況について多角的に考究し,本著作の意義を明らかにする.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Keisuke Hosoi
2
外国勢力の台湾市場からの駆逐、経済活動のための環境整備(治安の安定・土地所有権の確定等)、国家による援助による内地(日本)企業による台湾での独占の成立といったテーマが豊富な実例とともに描き出されている。「大国が小国(Or植民地)を経済的に支配する」というフレーズの具体的な一つの形がつかめた。ここからの比較で中国のラオスやカンボジアへの影響力のあり方が少し見えるかもしれない。あと余談ですが著者の矢内原さんは、戦前にここまで日本の台湾での悪行を本にして出版できたということですごくかっこいい人だと思いました。2012/10/02
のとや書架
2
東京帝大で「植民政策」講座を受け持っていた経済学者矢内原が、台湾における帝国の植民政策を分析したのが本書。従来は、植民地支配の理論的アプローチであった本書が、批判的知見を持つ実証研究に内容を持つ。内容もさることながら、編註や解説に価値あり。 「帝国主義の発展はすなわち帝国主義的矛盾の発達たるが故に」2011/11/24
ikegamikohei
2
ゼミ課題本。教育分野の分析が一番面白かった。台湾における同化政策は、かえって内地人有利の統治になったことがデータで表されてる。マルクス主義的分析を用いているが、具体的で冷静な著者の目線を感じられる。2010/05/16
こひた
0
禁書。無教会主義派、経済学、理論と実証とは。2016/01/21