出版社内容情報
物理法則とはどのような性格のもので,それはどのようなものの見方から発見に至ったのか.語りの名手ファインマンさんが,その心躍る展開を若者に熱っぽく語る.物理の魅力あふれる世界に万人を誘う,楽しい入門書.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
34
20
ファインマンの本を読むと、オスカー・ワイルドの「この世界にだれかほんとうにしあわせな人間がいるのは嬉しいことだ」という言葉をおもい出す。それはともかく、本書の後半に収められたノーベル賞受賞講演は、非宗教的な(職業的な)信仰告白としても読めて非常におもしろい。ファインマンは自身の量子電磁力学の方法を発見したとき、実在の新しい記述を見出したと一瞬信じたのだが、実はそれは他の理論と数学的には等価なものだった。おそらくはそのときにえたのだろう自然観が、前半に収められた一般向けの講演でも繰り返し語られている。2017/05/13
赤い熊熊
12
下手なアナロジーを使わないので、対称性の説明はわかりやすい。2017/07/30
こたつドラゴン
12
この本を読んでいるとファインマン教授は本当に物理学が好きなんだとわかる。物理学と数学の関係、不可逆性の話は面白かった。後半のノーベル賞記念講演も良かった。一人の学徒として、教授の楽しんで学んでいく姿勢を見習っていきたい。惜しむらくはかなり急いで読んだからそこまで深く読み込めていないこと。また再読するつもり。2017/06/11
赤い熊熊
9
再読です。自分の感想見てみると、確かに読んだらしい感想なのに、初めて読んだような感じがした。いつもながら、読書したことのほとんどがこぼれ落ちてしまってるようです。啓蒙書や解説記事に多いちょっと的外れな例えを使わないあたり、保存則と対称性の話はやはり秀逸でした。2015/09/22
Miyako Hongo
6
おちゃめなファインマン博士の基礎物理講義の解説本。何しろ古いのと講義の書き起こしなので訳文の口調が微妙に丁寧で読み辛い。内容は基礎なので物理の底本としては悪くない。□途中まで読んで挫折して再読してを繰り返し、何とか読了。第一部に書いてあること自体に真新しい知識は無かったが、理解が追いつかず読み返す。訳文が丁寧すぎるのが判りづらさの遠因かも。最大の要因は自分の知識の追いつかなさなんだよねー。□第二部はノーベル賞受賞のスピーチまんまなんで、内容に歯が立たない。ので「判らない事が判った」事は喜ばしい。2021/03/22