岩波現代文庫
万葉集抜書

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  • サイズ 文庫判/ページ数 339p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006000349
  • NDC分類 911.12
  • Cコード C0192

出版社内容情報

古典研究は,ことばの解釈を越え,その時代の精神,世界観の理解にむかわねばならない.言語学・意味論・心理学等の成果を踏まえ,萬葉人の言語と思想の結びつきを解明し,萬葉研究史に新しい地平を拓いた画期的論文集.大谷雅夫〈解説〉

内容説明

古典研究は、ことばの解釈を越えて、そこに籠められた精神、世界観の理解にむかわねばならない。言語学・意味論・心理学等の研究成果を取り込むことにより、万葉人の具体的思考を探り、古代語の「読み」、特質の解明を果たした本書は、戦後の万葉研究史上に一大画期をなした著者の代表的論文集である。

目次

万葉・古今・新古今
「見ゆ」の世界
古代の言語における内部言語形式の問題
古代日本語における色名の性格
語彙の構造と思考の形態
意味変化について
意味の変遷
和語と漢語
五七五七七
「都」「曾」の或る場合
訓詁の学
人麻呂の反歌一首
海路の歌二首
調使首見屍作歌一首
「諍」か「浄」か
万葉集本文批判の一方法

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

カコ

3
授業でこの本の中の「訓詁の学」を読むよう言われて手に取ったのだが、予想外に面白かった。万葉集を取り扱いながら、文字と意味内容の関係について緻密に議論している。検証の細やかさや論の組み立ては、ここまでやらないとちゃんとした研究にならないのか、という手本になる。話が古典日本語のみにとどまらず様々な言語が例に引くため、言語の普遍性が感じられる。特に面白かったのは「古代日本語における色名の性格」の章。「ぬばたま」をヒオウギの実だと思って分かった気になっていたので、目から鱗だった。2012/01/31

ほたぴょん

1
佐竹先生については、大学時代、演習に使う参考文献などでお名前を拝見したり、解釈と鑑賞などで論文を拝読することは多かったが、こうしてまとまったものを読むと、万葉びとのこころをわがこととして理解したい、という願いがその研究を貫いているのがみえる。本書所載の論考については、後続の研究の中で古典となりあるいは批判の対象になったりしているのだろうが、そのこころは大事にしたい。ちょっとミーハーながらwikipediaで調べると、佐竹先生と伊藤博先生の京都大学での卒業が同年なのだが、この2人って同級生だったのか!?2023/01/02

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