出版社内容情報
記紀歌謡に世界史につらなる叙事詩をよみとり,階級,民族,日本国家形成の解明に挑んだ現在なお鮮烈な問題提起を含む「古代遺族の英雄時代」を中心とした戦後歴史学の頂点を形成した雄大な構想の論考群.吉村武彦解説.
感想・レビュー
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拓也 ◆mOrYeBoQbw
18
比較古典研究。日本の神話や伝承から、記紀~万葉以降の古代文学や叙事詩、大和歌へと昇華していく過程を、ヘーゲルの美学講義を参考に、『イリアス』やギリシア悲劇の生成過程と比較した一冊です。導入はヘーゲル学による比較が中心ですが、徐々に日本固有の神話の成立と言霊、祝詞などについて、徐々に独自性が浮き彫りになっていくのが面白いですね(・ω・)ノシ2016/09/16
讃壽鐵朗
1
古事記と日本書紀の神話をマルクス主義的歴史学から解釈したもので、一般の解説書とは全く雰囲気が違うのに驚く。 2021/10/01