内容説明
長野県にある佐久総合病院では、ドクターヘリを飛ばして高度な救急医療を行う一方、家庭での介護を見守る地域ケアを日々地道に行っている。各現場で医療に従事する人たちは、どんな思いで毎日仕事をしているのだろうか。現在の医療制度の問題点も解説しながら、あるべき医療の姿を探っていく。
目次
第1章 ドクターヘリ(佐久総合病院;「農民とともに」 ほか)
第2章 地域医療の最前線(地域密着医療の第一線;地域ケア科のカンファレンス ほか)
第3章 なぜ医者になるの?(医師が足りない;遠くが見えない ほか)
第4章 医療の土台「国民皆保険」(お金からみる医療;病院に行けない! ほか)
著者等紹介
山岡淳一郎[ヤマオカジュンイチロウ]
1959年愛媛県生まれ。ノンフィクション作家。出版関連会社、ライター集団を経て独立。「人と時代」を共通のテーマとして、医療、建築、現代史、経済など分野を超えて旺盛に執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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和草(にこぐさ)
3
地域医療、国民皆保険、これからの医療について書かれあります。保険証の歴史を初めて知り、このようなら制度を作って頂き、有り難いと先人の方々に感謝です。2015/07/10
greenman
3
正直に言ってこのような医療の世界があることをまるまる見落としていたことに自分自身愕然とした。ノーベル生理・医学賞だといわれる最先端の医療ではなく、地道な地方医療の最先端を知ることができてかなり刺激された。僕の住んでいる奈良県は医療事件などにより、とくに中南部の医療が崩壊しかかっているのだ。その上医療だけでなく行政も完全に縦割りで、どちらもまったく歩み寄れていない状況だ。最近そのことを肌で感じるようになってからは、どうにかして欲しいという他力本願ではなく、どうにかしないと潰れてからは遅すぎると考えている2012/10/31
鮭
2
医療の実態理解に繋がる。日本に生まれて良かったと思い受けざるを得ない一冊。我々はこれからその当たり前のように甘え過ぎた故の歪みと闘っていかねばならない。医療・福祉を志す人へ。2011/03/06
aki
1
高校生向けではあるが、知らないことだらけなので、大いに役に立ちました。前半は東信地域の中核病院、佐久総合病院のドキュメント。第1章はドクターヘリ、第2章は在宅診療。現場の医師(看護師、介護員らも含めて)は頑張っております。第3章で浮かび上がるのは厚労省の「目の前しか見えない病」。ある物事が波及していくと、どういう影響を与えていくか、まったく想像(シミュレーション)していないので、悪影響しか出ないこともしばしば。第4章は「国民皆保険」。少子高齢化によって突き崩されつつあるが、どこまで持つものかね。2021/11/10
オランジーナ@
1
産婦人科は訴訟リスクが高く成り手がいない。子供を産もうにも、経済的環境・医療的環境などが整ってない状態が放置されていては一億総活躍など無理だろうなと感じた。2015/10/26