岩波ジュニア新書
ぼくはアメリカを学んだ

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  • サイズ 新書判/ページ数 209p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784005005567
  • NDC分類 K295
  • Cコード C0236

内容説明

日本の高校で落ちこぼれ、英語もできない若者がアメリカに渡る。ニューメキシコ州の最底辺といわれる先住民居留地で、生きた学問の必要を悟り、猛勉強の末、UCバークレー校に入学する…極端な差別社会アメリカで、なぜその奥底にさす微かな光に励まされてきたのか、先住民学を切り拓く若い研究者の目覚めへの旅の記録。

目次

第1章 アメリカへの長い旅(中国―パキスタン編)
第2章 アメリカへの長い旅(イラン―ヨーロッパ―東京編)
第3章 新天地をもとめて
第4章 逃げる民
第5章 先住民の大地
第6章 バークレーの日々
第7章 メスカレロ・アパッチ族と核廃棄物
第8章 漂流者たちの楽園
第9章 「辺境」の民たち

著者等紹介

鎌田遵[カマタジュン]
1972年東京都生まれ。日本女子大学、文化学院非常勤講師。カリフォルニア大学バークレー校ネイティブアメリカン学部卒業。同大学ロサンゼルス校大学院アメリカインディアン研究科修士課程修了。同大学同校大学院都市計画研究科博士課程修了(都市計画Ph.D.)。専門は、アメリカ先住民研究、地域研究(アメリカ合衆国)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぱせり

13
底辺の人々を踏みつけてのし歩く人間たちの巨大な闇。その闇をみてみぬふりをするさらに大きな闇。押しつぶされかけながら、精一杯に生きようとあがく人びとの命は確かに輝いてみえる。著者が見たのは、「辺境」「どん底」から見たアメリカ。でも「辺境」はとてつもなく広い。そして思っていたよりずっと強靭だった。 2014/11/27

Yoko

9
ネイティブアメリカンについて知ってみたくてまず本書を。いわゆる学術書ではなく、著者のアメリカでの経験を通してネイティブアメリカンや移民らが強いられている環境について、無知というのに近かった私には入門書として良かった。調べてみると著者とは同い年でした。17歳で親に内緒で大陸に渡った著者のノープランな若さが眩しく、まだまだマイノリティへの寛容さがない時代に本書の内容以上に苦労しただろうかと想いました。現在は亜細亜大学の准教授をされているようです。お話聞いてみたいなー。2019/04/13

HIRO1970

9
☆☆☆17歳で世界に飛び出しユーラシア大陸を横断、高校を卒業してからアメリカで短大、大学、修士、博士と勉強嫌いの高校生が自分と向き合うことで自分のために学ぶ事、社会のために出来ることを感じ、考え始める過程は普通のまともな社会人になるためのプロセスではあるのですが、これが日本ではなくアメリカの不法移民や犯罪者の更生施設に囲まれた環境でずーと育まれるというが本書の特異なところだと思います。著者の環境順応力の異常なレベルの高さと類まれな運の良さと何処にでも飛び込んでいける度胸の良さが際立った作品です。 2013/11/11

ユウヤ

3
17歳で日本を飛び出した著者。それも明治の移民ではなく、平成の高校生の話。信じられなかった。アメリカの辺境で経験したこと全てが余りにも強烈だ。ただ、これは他所の国の話ではなく、中南米からの人々と共存していく我々にとっては是非知るべき内容。著者が手にしたカギを探したいものだ。2015/09/27

がんぞ

3
彼も沢木『深夜特急』に魅せられたか、1989年、高校生活を中断してユーラシア大陸を横断。出会った日本人はみな「危険だから引き返せ」と言った…。高卒後、アメリカへ「語学留学」、日本人ばかりの研修では何もならないと中退、放浪…。ニューメキシコ州で「あそこだけは行ってはいけない」と誰もが言うサンティアゴに逗留、話されるのはほとんどスペイン語…。合衆国で行われているのは日本のような優しい差別ではない。紆余曲折あって「マイノリティー文化を研究したい」との願書が認められバークレー大学に入学。「このままでは落第」通告…2015/09/19

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