岩波ジュニア新書
ミジンコはすごい!

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  • サイズ 新書判/ページ数 211p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784005005321
  • NDC分類 K485
  • Cコード C0245

内容説明

目をクリクリさせて愛らしい表情のミジンコ。しかし、魚など捕食者の多い湖で生きぬくのは大変です。食われないように頭をとがらせたり、深いところにもぐったり、環境が大きく変化する湖にすんでいるミジンコの、不思議でおもしろい生き残り戦略を解き明かすことで、生態系のしくみが見えてきます。環境と生態系を考える1冊。

目次

1 ミジンコに注目(頭をとがらせるミジンコ;ミジンコを食べるもの、ミジンコが食べるもの ほか)
2 ミジンコの正体(からだが透明なわけ;変身の達人 ほか)
3 魚vsミジンコ(魚をおそれるミジンコたち;ミジンコは魚とのたたかいで進化した ほか)
4 湖の水環境を考える(湖はどのようにして汚れるか;湖が汚れると魚が増える ほか)
5 水槽で「湖」の生態系を見る(湖の動物プランクトン群集を調べる;水槽にプランクトン群集をつくる ほか)
6 湖から地球環境を考える(湖は地球生態系の縮図;地球環境を大きく変えた生物 ほか)

著者等紹介

花里孝幸[ハナザトタカユキ]
1957年東京生まれ。1980年千葉大学理学部卒業。国立公害研究所(現・国立環境研究所)に研究者として勤務の後、1995年に信州大学理学部教授。信州大学山地水環境教育研究センター長。専門は陸水生態学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アナーキー靴下

68
とても優れたジュニア新書。ミジンコの種の違いや、環境に応じて体の構造を変化させるという話自体も面白いのだが、それらは何のためで、どういう結果をもたらすのか、という堅実な視点が素晴らしい。データ分析主導の相関関係をそのまま受け入れるのではなく、因果関係の仮説を立て検証することの大切さを教えてくれる。また、自然保護や環境改善といったことが、漠然とした生態系全般ではなく、特定の種の保全や水質目標を基準にしたものであろうという理解にも役立つ。何度も登場する「ベネフィットとコスト」は環境の世紀に重視すべき言葉だ。2023/07/11

トムトム

32
知らない事がたくさん書いてあって、面白かったです。双眼鏡を買おうと思っていたけれど、顕微鏡が先か。いや、天体望遠鏡も欲しい!生き物の食物連鎖、いや、食物網!網の目のようにからまりあって、単純な事ではないのだと思いました。2021/06/05

12
微塵子と書いてミジンコと読む。頭を尖らせ、敵を退けたり、透明な体を手に入れ、敵の目を眩ませたりという生態が面白かった。何よりも生活排水の流入によるものと思い込みがちな湖の汚濁は、単なる植物プランクトンの増えすぎだから、ミジンコを増やせばバクバク食べてくれて解消する。そのためにはミジンコの天敵である魚の数を増やしすぎないことという指摘に目から鱗。確かに赤潮もアオコも、元を正せば植物プランクトンだもんなあ。ブラックバスだけでなく、ワカサギ等在来魚の放流も下手すれば生態系を攪乱するとの指摘が新鮮すぎて驚いた。2017/08/13

ジュリ

5
環境にあわせて体を変えるなんてミジンコはすごい。とっても小さな生物だけれど、生態系に大きな影響を与えている。たとえば、アオコが減少をしたり、魚のエサになったり、ミジンコを捕食する生物の数に影響を与えたりなど。小さな生物は環境への影響がそれほど大きくないように思っていたけれど、どんなに小さいな生物でも環境に影響を与える。2018/05/24

nagata

3
生態系の複雑さを、小難しくなく、とはいえ大切なところを省くこともなく、その魅力を存分に語ってくれている、ジュニア新書のレベルを超えた良書。韓国版まで出ているそうな。こういう本に出会えれば、もう少し理科のことが好きになるかも、と思わせてくれるはず。2019/10/22

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