岩波新書
冬眠の謎を解く

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  • サイズ 新書判/ページ数 226,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004312444
  • NDC分類 481.77
  • Cコード C0245

出版社内容情報

体温を下げて冬をやりすごす奇妙な習性、冬眠。著者が発見したのは、体内時計にしたがって低温に耐える体に切り換える、驚くべき仕組みだった。数倍もの長寿をもたらし、人間にもそなわっているという冬眠能力の秘密。

内容説明

体温を下げて冬をやりすごす動物の奇妙な習性、冬眠。心臓の低温保存から冬眠の世界に入っていった著者は、体内時計にしたがって低温に耐える体に切り替える、驚くべき仕組みを発見する。数倍もの長寿をもたらし、人間にも備わっているという冬眠能力とは何か。相次ぐ研究の意外な展開は、生命の奥深さを物語る。

目次

序章 冬眠の世界への入り口
第1章 低温で生きる体の秘密
第2章 冬眠物質を求めて
第3章 人工冬眠は可能か
第4章 冬眠がもたらす長寿
第5章 ヒトと冬眠

著者等紹介

近藤宣昭[コンドウノリアキ]
1950年愛媛県今治市生まれ。1973年徳島大学薬学部卒業。1978年東京大学大学院薬学系研究科博士課程修了、薬学博士。三菱化成(後、三菱化学)生命科学研究所主任研究員、(財)神奈川科学技術アカデミーを経て、玉川大学学術研究所特別研究員。専攻は薬理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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へくとぱすかる

65
冬眠できる動物と人間の違いは何か。研究が非常に困難であった1980年代、シマリスを人工的に冬眠させる試みから、研究はスタート。カルシウムイオンの動態から、システムを徐々に明らかにしながら求めた「冬眠物質」は、通常抱れそうなイメージとはかなり異なっていた。冬眠が変温性と恒温性の長所を兼ねられる方法であり、進化の過程が生み出した生き方であるとは、みごとに本質を突いていると思う。体温低下が冬眠の本質ではなく、冬眠できる体質を準備できることが、長寿にも結びつくことの発見は冬眠研究の大きな成果ではないだろうか。2020/04/06

魚京童!

22
冬眠したい。2015/01/10

zoe

20
冬に眠ると書いて冬眠。哺乳類でも冬眠する動物がいる。厳密には定義がある。著者らはシマリスを用いて、実験をしている。血中にある物質が脳に移行する。寝ている状態なのか、死んでいる状態なのかは、解剖から得られる情報としては研究の限界が。気長で、最先端の機器を用いた研究なら、これから先を明らかにしてくれるのではないだろうか。メモです。凍結できるからだ。病気にならない体。長寿。2021/02/23

はとむぎ

16
面白かった!生物が進化の過程で作り上げたシステムは、本当に驚きに満ちている。冬眠する動物って、寒くなったら冬眠すると思ってたけど違うらしい。定期的に冬眠できる身体の状態になり、その身体の状態では、部品の修復が進んで若返るらしい。結果、長寿となる。そして、人間にもその力は残ってるって。2023/04/30

びっぐすとん

12
図書館本。冬の寒さが苦手なこと、人間が冬眠したらCo2が削減されて地球に優しいかもと、期待して読んでみた。うーん、基礎知識があること前提の上、話がアチコチ飛んで中々肝心のところに辿り着かない、すごく眠くなる。冬眠動物は冬眠時体温が10℃以下まで下がるが、人間の場合は体温は37℃のままで冬眠しないと駄目ということだけわかったが、それが可能なのかどうかその先の具体的な話がない。知りたいのはそこなのに。脳や心臓など生命維持に必要な臓器は低温に殊更弱く、一頃お金持ちの間で流行った冷凍冬眠は生き返らないみたい。2019/05/27

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