岩波新書
「尊厳死」に尊厳はあるか―ある呼吸器外し事件から

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  • サイズ 新書判/ページ数 194,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004310921
  • NDC分類 490.15
  • Cコード C0236

内容説明

二〇〇六年三月、富山県の射水市民病院で入院中の末期患者七人の人工呼吸器が取り外され、死亡していたことが明らかになった。実際にはいかなる事態が起きたのか?その後つづいた「尊厳死法制化」をめぐる政府・医療界・メディア等の動きも踏まえ、今、日本の終末期医療に真に求められていることは何かを渾身で問いかける。

目次

第1章 「尊厳死」に尊厳はあるか―「射水市民病院・人工呼吸器取り外し事件」から(事件の発覚;七人の患者が死を迎えるまで;患者の尊厳を世に問うのなら;覚悟が定まったとき;改革への模索)
第2章 終末期医療のこれから―今、真に求められているもの(尊厳死法制化への動き;「いのちの線引き」への医療界の底流;「尊厳死」問題と私)
資料

著者等紹介

中島みち[ナカジマミチ]
ノンフィクション作家。1953年東京女子大学卒業。TBS勤務を経て、70年中央大学大学院法学研究科(刑事法専攻)修士課程修了、同年乳がん手術。その後、安楽死、生命倫理、医療制度など、医療と法律の接点となる諸問題について執筆を続ける。現在、(財)日本医療機能評価機構評議員、(財)日本訪問看護振興財団理事なども務め、一貫して患者の立場からの医療への提言を行う。94年、第42回菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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テツ

25
医師による呼吸器の取り外し事件を追ったルポ。個人的には肉体や精神が弱り自分で自分の食い扶持も稼げなくなったら始末して欲しいと思っているので、生命の尊厳や死を選ぶ自由などについて考えながら読了。このお医者さんの主義主張を全てまとめてそのまま素晴らしいとは思わないけれど、自分の望む終わらせ方は出来るだけ叶えて欲しいなと思う。弱々しくなった身体で痛みと苦しみを抱えてダラダラ生きていたくなんてない。国営の安楽死施設があればいいのにね。2018/05/16

さきん

24
人工呼吸器を外す医者への取材から尊厳死について考える。取材された医者は、昔ながらの外科医であまり説明をしないで、簡明に患者とやり取りをすることで信頼を得るタイプだった。また、脳死状態という言葉に対する理解が曖昧で、随分恣意的な判断を下していた。患者の脳死に近い状態と周りの延命治療をあまり望まない様子を見比べて、人工呼吸器をはずしていたようである。時々、昏睡状態から盛り返す人もいて、その判断は非常に難しいと思うし、何年も人工呼吸器に繋げると場所と費用も結構かかってしまうと思った。2017/02/20

mana

21
X医師の不思議な感覚や考えはよくわからなかった。ただ、もう少し客観的、中立的に書いてもよかったのでは?という気もする…。テーマ自体が重くて深いこともあり、まだまだ理解できていないと感じる。「尊厳死」や「安楽死」は、個人的には賛成。ただ、医師や家族のエゴが入ってきてはいけない。本人が意思表示していたとしても、脳死状態に陥った時に、周囲の人間にいいように解釈されてしまう怖さはある。…なんとも難しい。。。2021/04/30

*ふうか*

4
難しすぎてようわからん。2020/06/27

那由田 忠

4
 臟器移植の反対派闘士というイメージでちょっと避けていたが、射水病院尊厳死事件を取りあげているのに気づいて読んだ。検察が不起訴を決める前の本。検察は、看取りのための人工呼吸器装着と外しがあるという理由で不起訴にしたらしいが、それがおかしいと中島は言っていることになる。日本の現場では阿吽の呼吸があったとぼかして述べているが、そのあたりの状況がいまいち見えない、彼女は言い尽くしたと述べているが。しかし、読むべき本である。臟器移植推進の人々に毒づく点がよく分からんけれども。2013/10/12

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