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岩波新書
翻訳家の仕事

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  • サイズ 新書判/ページ数 214,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004310570
  • NDC分類 801.7
  • Cコード C0290

内容説明

原文にトコトンつきあい、テクストに響く原作者の声に耳を澄ましては、たった一文字の訳にも七転八倒―。古今東西さまざまな言語の翻訳にたずさわる当代きっての名訳者三七人が明らかにする、苦悩と、苦心と、よろこびのとき。翻訳という営みに関心をもつすべての読者に贈る、読みどころ満載の翻訳エッセイの決定版。

目次

1 魅せられたる我が魂―翻訳という営み(翻訳家をこころざす若い友人へ(鼓直)
翻訳の魔力(富士川義之) ほか)
2 翻訳者の苦悩と偉大―難しさと技術(レノンにゴ(ー)リ(ー)押し(柴田元幸)
遠呂知は大蛇ではない(三浦佑之) ほか)
3 テクストの呼び声―原作との対話(声をさがしつづけて(和田忠彦)
あの年の夏(高見浩) ほか)
4 生ける言葉―翻訳と創造の狭間で(詩を翻訳する少年(リービ英雄)
ある翻訳家への手紙(多和田葉子) ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ネギっ子gen

54
【だから翻訳は面白い】当代きっての名訳者37人が、翻訳に惹かれた理由を打ち明け、訳文を作るにあたっての苦労を呟く、翻訳という営みに関心を持つ者に贈られた翻訳エッセイの決定版! 「まえがき」で、<翻訳というものは、入学試験の英文和訳のように、とりあえず原文の意味内容が伝わればそれでよし、といえるでしょう。原文を、創作物としての活きた日本語に「書き直す」――そうであってこそ「翻訳」であるといえる/翻訳とは、それを体験したことがない者にとっては想像もつかない産みの苦しみをともなう「力作業」であるようです>と。⇒2023/12/31

ヨクト

19
今までほとんど翻訳者を意識したこと、翻訳本を読んでいて翻訳者の影を感じることはなかった。それは翻訳者が意識的に自分の影を消していたからであり、文体に少しだけすり込まれた翻訳者の努力をぼくに感じる力がなかったからか。翻訳者を経た翻訳本には最初から日本語で書かれた物語とは異なる労力と喜びと苦悩があったんだ。そう思うと翻訳本が愛おしくなる。2013/09/16

sabosashi

16
外国語で読むときは、外国語で考えるのが当たり前、へたにニホン語などを混じらせたりすると、手間ばかりがかかる。要は外国語に精通すること。はて、いまのニホンでそんなことを思うのは外国語エリートの戯言だろうか。国際化、という掛け声がかまびすしいなか、もうずいぶんと時間がたったことと思うが、じつはほとんど進行していないというのが、わたしのささやかな感慨。 一方でニホンは翻訳大国としてつとに有名である(これも吟味しなくてはならないが)。すくなくともニホンでは翻訳者なるものがキャラクター化できる。2019/06/04

三柴ゆよし

10
現代日本を代表する(?)37名の翻訳者による翻訳エッセイ集。翻訳辛いなあ、苦しいなあ、でもやりがいはあるよ、という意見が大勢を占めており、これはなかば想像していたことではあるけれど、べつに翻訳にかぎらずとも労働ってそういうものでしょうね、という感じで身も蓋もないが、そのなかにあって、ただひとりだけ、ビバ!翻訳!な人がいるというのは、はたして建て前なのか、よほどのお気楽さんなのか、深甚な謎が残る。本職ではないがバイリンガル作家である多和田葉子、リービ英雄の文章が最も興味深かったように思う。2011/06/15

kaizen@名古屋de朝活読書会

9
よしもとばななの「キッチン」をイタリア語へ訳したというアレッサンドロGジェレヴィーニの話が共感できた。 「英語で読む万葉集」を書いた,リービ英雄さんの話もためになった。 アルフレッドバーンバウムの「庭師が人工的な自然を構築する働きにも似ている」というのは核心をついているかも。村上春樹,宮部みゆきを訳しているらしい。 日本語を他の言語に訳してくださる人達の努力に感謝。岩波新書百一覧掲載http://bit.ly/10CJ7MZ2012/02/05

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