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岩波新書
アメリカ 過去と現在の間

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  • サイズ 新書判/ページ数 232,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004309123
  • NDC分類 312.53
  • Cコード C0231

内容説明

現在のアメリカは、どんな過去の累積の上に成り立っているのか。「ユニラテラリズム」「帝国」「戦争」「保守主義」「原理主義」という、現代アメリカが直面している五つの問題群を入口にしながら、その政治と外交のありようを歴史的な文脈の中で考察し、混迷を深める「アメリカ的なるもの」の行方を探ってゆく。

目次

1 ユニラテラリズム―アメリカ対外活動の論理(孤立主義と国際主義;理想主義と現実主義;ブッシュ的ユニラテラリズムの条件)
2 帝国―普遍国家の逆説(「帝国」の原型―フレンチ・インディアン戦争以後;「帝国」と「国民国家」の間―膨張の一九世紀;「海洋帝国」の出現―冷戦と二つの戦争;「帝国」の行方―9・11事件以後)
3 戦争―軍事組織とデモクラシー(憲法と戦争;民兵から常備軍へ;「帝国」の軍隊;新しい戦争)
4 保守主義―「ネオコン」の歴史的文脈(リベラル社会における保守;競争社会と保守主義;アメリカ保守主義の誕生;アメリカ保守主義の将来)
5 原理主義―アメリカ的思考のパターン(アメリカ理解の鍵としての原理主義;キリスト教原理主義の起源;政治化する原理主義;アメリカ的思考様式とは何か)

著者等紹介

古矢旬[フルヤジュン]
1947年東京に生まれる。1975年東京大学大学院法学政治学研究科博士課程中退。北海道大学大学院法学研究科教授。専攻はアメリカ政治外交史
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

56
2004年、子ブッシュ2度目の当選直後の書。ユニラテラリズム、帝国、戦争、保守主義、原理主義の5項目を立て、その成立と展開、そして現状を概説している。コンパクトにまとめられ、アメリカ合衆国という歴史上初めて人工的に作られた国家が、いかなる原理を当初から包摂し、展開させてきたかを理解するのに適当なテキストと思う。特にある意味「伝統」を持たない国の保守主義が、自らが規範にしてきた福音主義的プロテスタントと、プリミティヴな民主主義に帰着していき、「帝国」化するにつれ、それを他地域に押しつけていくとの説明は納得。2023/03/31

ヤギ郎

10
歴史的叙述方法ではなく、思想や主義といった観点でアメリカ史を分析した本。といっても、歴史を語る本なので、年代順になるのはいたしかたがない。とある先生に言われたことですが、外交や国際政治は複雑な面もあり、容易にある事象を「〇〇主義」とくくることができない面もありますが、考察する時の良い指針になるそうです。アメリカ政権交代したばかりなので、タイムリーな読書ができます。2017/08/10

おっくー

6
友人に勧められた本。アメリカを理解するのに最適と思われる本。アメリカの成り立ちから、歴史を紐解けば現在のアメリカの方針に通づるものがある。わかりやすく、今後のニュース等の情報の受け取りかたが変わるであろう2016/10/23

あくび虫

4
現代(ブッシュ政権時)のアメリカのあれこれを、歴史の流れに位置付けていく趣旨。比重はほぼ現代。内容はそこそこ面白いけど、大変つまらなかったです。睡眠導入に有用。2017/07/12

ようへい

2
この著書では5つの問題を扱っているが、第4章において保守主義を考察している。アメリカではヨーロッパにおける権威、伝統に基づく保守主義は存在しない。封建的制度から逸脱した個人から成り立っているからである。自由主義的な経済の発展のなかで競争主義擁護のイデオロギーとして保守主義が生まれたと著者は述べる。保守に対するリベラリズムは恐慌を端として確立し保守主義は周縁に追いやられた。そしてリベラリズムの崩壊により伝統とかいった文化的規範の復興としてネオコンに繋がる保守主義が新しく成立した。2013/08/31

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