岩波新書
江戸の旅文化

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  • サイズ 新書判/ページ数 253p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004308843
  • NDC分類 384.37
  • Cコード C0239

出版社内容情報

苦難に満ちた古代・中世の旅から,お伊勢参り・湯治など遊興性を帯びた江戸の旅へ.旅の実態を描きながら,その変化を促した社会の姿を説き,そこで生まれた生活文化が,実は現代にまで継承されていることを明らかにする.

内容説明

古代・中世の苦難に満ちた旅から、お伊勢参り・湯治など遊興性を帯びた江戸の旅へ。そこには、どのような社会の変化があったのだろうか?旅行記、浮世絵などの資料を駆使して旅の実態を浮びあがらせながら、その変化を促した社会の姿を描き、そこで生まれた生活文化が、実は現代に継承されていることを明らかにする。

目次

1章 伊勢参宮のにぎわい(一生に一度の伊勢参り;年間数十万、二〇人に一人;タテマエとホンネ ほか)
2章 旅を広めた社会の構造(日本での巡礼;寺社詣でのさまざま(大山詣で)
富士登拝 ほか)
3章 湯治という旅(耽溺の入浴文化;外国人のみた奇習;湯七日、湯十日 ほか)

著者等紹介

神崎宣武[カンザキノリタケ]
1944年岡山県に生まれる。民俗学者。旅の文化研究所所長
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きいち

29
身分・階層・男女を問わず、旅を楽しむことができた18-19世紀の日本。治安が守られ為替が使えて、伊勢の御師をはじめとする旅行業者がいて、共通の教養をもとにした旅先での出会いもある。しかも長期。農業よりも武士道よりももの作りよりも、日本は「サービス業の国」だったのだ。つくづく、教科書の貧農史観は明治以来の「作られた歴史」だ。◇とはいえ、あれも嘘じゃない。ヤジさんキタさんが店の娘にあしらわれてるのとほぼ同時代、飢饉で全滅した集落も相次いでいたのだから。両者の運命を繋いで考えるのは至難だけど、なんておもしろい。2014/12/16

壱萬弐仟縁

9
歌川広重の『木曾街道六拾九次』(32頁~)。地元の人間からすると、中山道の街道文化は重要な観光資源である。木賃宿は壁の落ちかけた粗末な構造であったという。社会不安(飢饉とか一揆)の前兆があっておかげ参りが生じた(64-65頁)。江戸時代に女は木曾福島の関所を通れないため、塩尻の峠(うとお?)を超えて伊那路を辿って名古屋へ(162ー3頁)というのは知らなかった。男女差別。2013/03/20

えるもん

8
軽い気持ちで手に取り読んでみました、江戸の庶民(ほとんどが農民)の生活がわかる本。小難しい本は苦手なのでどうかなと思いながら…テーマは「旅」ですが、 色んな話にぶっ飛ぶので飽きずに読めました。伊勢参りやお陰参りの周期が50年前後でちょうど社会変動の時期と被ってるのは興味深いです。建前と本音のお話は、銀魂を彷彿とさせる内容で笑いありです。混浴文化はね?当時の外国人の反応が傑作です(笑)思ったよりギャグでww日本人って真面目と言われてるけど建前で!本音は、のり突っ込みしたいしのんきなのです。2014/01/09

すのさん

7
江戸時代の庶民の旅について。「道中記」や「名所記」の類が数多く出版され、「道中案内」や「名所図会」が広く流通していた。これらの書物や図会を通して情報が広がり、旅行者もこれから旅する人のために旅程を記録した。『旅行用心集』は現代にも通用する程に有益な書物であり、興味深い。伊勢参りの他にも、富士山や善光寺、厳島、京見物についての言及があり、これらは初耳のものも多かった。湯治行は温泉で癒され、観光を楽しみ、食事や酒に舌鼓を打つ、なんとも羨ましい旅であった。2020/08/31

にせとら

4
温泉についての記述が多く、面白かった2016/02/11

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