岩波新書
少年犯罪と向きあう

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  • サイズ 新書判/ページ数 221p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004307631
  • NDC分類 327.8
  • Cコード C0236

出版社内容情報

少年法が「改正」された.しかし,厳罰化で犯罪は防げない.犯罪少年を切り離せば社会の安全は保てるのか.捜査や審理の方法,年少者の拘束などの問題も指摘される.少年たちや家族に向き合ってきた著者が示す共生への方途を示す.

内容説明

「凶悪化」「低年齢化」の掛け声のもとに改正された少年法。しかし厳罰化によって犯罪は防止できない。犯罪に追い込まれる少年を「異物」として切り離せば社会の安全は保てるのだろうか。捜査や審理の方法、年少少年の拘束、被害者の人権などの問題も指摘される。長年にわたって少年たちや家族に向きあってきた著者が示す共生への途。

目次

第1章 ゆがめられる少年像
第2章 孤立無援の取調べ
第3章 家庭裁判所で―知られていない成人の裁判との違い
第4章 少年法が変わった
第5章 被害者の苦しみと望み
第6章 「加害者の親」という立場
第7章 共生の可能性をさぐる
第8章 少年を犯罪に走らせないために

著者等紹介

石井小夜子[イシイサヨコ]
1949年千葉県に生まれる。1972年明治大学法学部卒業。現在、弁護士。日弁連「子どもの権利委員会」委員、東京弁護士会「子どもの人権と少年法に関する委員会」委員
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

22
弁護士であり、実際に少年事件を担当した経験のある著者。加害者、被害者、それぞれの親たちと、苦しみを多角的に捉え考えねばならないこと、司法の限界や冤罪の可能性など、かなり深いところまでその視点は切り込んでゆく。その真摯な態度は、素直に素晴らしいと思えるものだった。世の中、こういう法律の専門家ばかりだったら、どんなに良いだろう。2013/09/30

paseri

5
薬丸岳さんの小説に影響を受けて、少年犯罪に興味を持ったので読んでみました。少年法の目的は罰することではなく、更生させることにある。少年法の運用実態について分かりやすく解説されていて、とても読みやすかったです。2015/12/27

おのてぃ

4
石井氏ほど加害者に肩入れはできないけど、加害少年もまた被害者であるという考えには条件付きで賛成。難しい制度なども噛み砕いて説明があったのでわかりやすかったです!「子どもらを被害者に 加害者にもせずに この街で暮らすため まず何をすべきだろう?」2011/01/12

Wisdom

3
修復的正義に関する参考文献として利用して以来、ずっと積んであった本。自分が中学生だった時は、自分や周りの友達をすでに出来上がった人間のように認識していたが、やはり今になって教え子の中学生などを見ていると、特に精神的な部分で幼さを感じる。まだまだ成長過程にある彼らが仮に凶悪犯罪を起こしたとしても、しかるべき刑罰を即座に適用するのではなく更生の機会を与えるべきだとするのは、妥当な考え方ではないだろうか。2013/09/24

弓月紺

2
とりあえずパラ読み。授業で使う段になったら熟読する予定。パラ読み段階で思ったことは、すごく制度について説明が詳しくてよかったし、少年犯罪に対する現在の傾向を憂える作者さんの気持ちは痛いほどわかった。けれど、目には目を、ということを含め、被害者感情を思うと、少年加害者に対して擁護側に完璧に回ってしまえるほどまだ私は・・・と思いました。2009/07/02

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