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岩波新書
言語の興亡

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  • サイズ 新書判/ページ数 221,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004307372
  • NDC分類 802
  • Cコード C0287

出版社内容情報

言語はどのように生まれ,滅びるのか.著者はごく短い時期に,侵略・技術革新などをきっかけに激しく言語が変化するという新しい仮説を示す.さらに,消滅してゆく少数言語を前に今,言語学は何をすべきかについて熱く語る.

内容説明

現在地球上に存在する約五千の言語は、どのように発達してきたのだろう。オーストラリアの言語学者ディクソンは、変化の少ない長い平衡期と、言語が急激に拡張・分裂する短い中断期が繰り返されたとする新しい仮説、断続平衡説を提示する。さらには、異文化接触によって消滅してゆく少数言語に対して、言語学はいま何ができるかを熱く語る。

目次

第1章 序説
第2章 ことばの伝播と言語圏
第3章 系統樹モデルはどこまで有効か
第4章 言語はどのように変化するか
第5章 断続平衡モデルとは何か
第6章 再び祖語について
第7章 近代西欧文明と言語
第8章 今、言語学は何を優先すべきか
第9章 まとめと展望
補論 比較方法の発見手順では見誤ってしまうもの

著者等紹介

大角翠[オオスミミドリ]
1947年東京に生まれる。1970年東京女子大学卒業。1973年東京大学大学院修士課程修了。1975年パリ大学および1988年オーストラリア国立大学言語学科博士課程修了、Ph.D.現在、東京女子大学現代文化学部言語文化学科教授。専攻は言語学(オセアニア言語)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

びっぐすとん

18
図書館本。長らく読みたい本リストに上がっていたのだが、なぜ読みたいと思ったのかも今となっては不明。総武線の車内で読んで理解出来る本じゃなかった。言語はどうやって誕生し、伝播していったかに興味があったが、そこは研究者をもってしてもまだ解明出来ず、ただ言語の発展、変化は緩急のあるものらしい。少数派の言語の消滅の危機とその保護を訴えている。一度失われた言語は二度と復活せず、過去にも一語の記録も無いままにその話者とともに滅んでしまった言語は山ほどあるんだろうな。2022/10/02

isao_key

5
言語の誕生と発達、情報化社会に伴い消滅していく少数言語についての考察。文字を書くことと口承伝達の間にはつながりはなく、文字を持たなかった人々は優れた記憶力を持ち、技術と文学の膨大な知識を暗記していた。ところが読み書きができるようになると、記憶力は価値を失ったか完全には保持されなくなった。またコミュニケーションの向上により、世界のいたる所で多くの言語が消滅に向かい、方言の多様性も大幅に制限されてきた。世界のどの国でも地域の方言が標準のあるいは優勢の言語形態に向かってゆっくりと変化している、と警笛を鳴らす。2013/11/27

イカ

3
言語学(比較言語学、歴史言語学)の王道中の王道、職人的言語学者による魂の叫び。言語の発生とその変化の過程について、ほとんどわからないと言いつつ、なぜわからないのか、それでもわかることは何かをストイックに追求している。こういうものを読むと、ほとんどの言語学に関する研究がエセ臭く感じられてくる。それに加えて加速度的に進む言語の消滅の危機(現実)に警鐘を鳴らしている。小言語の消滅を嘆くのは、博物館的収集趣味からではない。多様性が失われることは、マイノリティーだけでなくマジョリティーにとっても失うものが大きい。2019/09/26

中村明裕

3
(#Dixon1997)断続平衡モデルという歴史言語学上の新理論を提唱。印欧語族に典型的に見られるような系統樹モデルは、中断期という特殊な場合においてのみ有効であり、平衡期という安定した時代において言語は互いに影響を与えつつ一つの型に向かって収束するとする。 この理論はオーストラリアの言語のフィールドワークから紡ぎだされた。ディクソンは訴える: こうしているうちにも多くの言語が消滅の危機に瀕している。言語学者たちよ、フィールドへ出よ。言語という貴重な人類の遺産を書き留めよ。2014/01/02

本とフルート

2
思った以上に何も分からなかった。かなり置いてきぼりにされた感じがする。それでも多様な言語こそが人間の最大の財産だときっぱり言い切る著者には感動した。フィールドワークを至上とする著者の姿勢を素直に尊敬する。専門知識の不足を痛感した。2022/02/22

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