岩波新書<br> 市場主義の終焉―日本経済をどうするのか

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岩波新書
市場主義の終焉―日本経済をどうするのか

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  • サイズ 新書判/ページ数 232p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004306924
  • NDC分類 332.107
  • Cコード C0233

出版社内容情報

長期不況下の日本経済の改革に「市場」の役割は不可欠だが,万能視はできない.格差・不平等の問題や20世紀型産業文明からの脱却を見据え,「市場の暴走」を制御しながら,効率的で公正なシステムへの確かな指針を示す.

内容説明

長期不況下で閉塞感に覆われた日本。旧来の制度・慣行の非効率を正すのに「市場」の役割は不可欠だが、万能視はできない。格差・不平等をどう問い直すか、IT革命にどう対応するか、二〇世紀型産業文明からどう脱却していくのか。「市場の暴走」を制御しながら、効率的で公正なシステムの構築をめざす確固たる指針を示す。

目次

序章 市場主義の来し方ゆく末
第1章 相対化の時代が始まった
第2章 進化するリベラリズム
第3章 日本型システムのアメリカ化は必要なのか
第4章 「第三の道」への歩み
第5章 グローバリゼーションの光と影

著者等紹介

佐和隆光[サワタカミツ]
1942年和歌山県高野山に生まれる。1965年東京大学経済学部卒業。専攻は計量経済学、統計学、環境経済学。現在、京都大学経済研究所教授・国立情報学研究所副所長
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

65
昔読んだ再読です。著者の言わんとするところには同感できるのですが、どうも理論で説得したいのかもう少し現実的な資料分析によって主張したいのかが明確になっていないような気がします。最近時点での資料を駆使して分析すれば著者の言わんとするところの裏づけとなるのではないかと思われます。内容的には今から15年前に書かれているのですが、今でもその言わんとするところは変わっていないと思います。2015/08/06

Masatoshi Oyu

4
2000年の本だが、第三の道やポストマテリアリズムへ、といった提言は大体正鵠を射ていたのではないだろうか。 低成長時代に、平等を所得分配だけでなく、排除されているかどうかという基準を導入し新たに再定義すべきとの提言は、宇沢弘文の社会的共通資本の議論とも接続しうると思う。つまり社会的共通資本へアクセスし、それが享受できるかどうかで再分配や平等の達成具合を考えることができる。そうとすれば、やはり何を以て社会的共通資本とするかということも重要になってくるだろう。2020/05/13

トダ―・オートマタ

2
本書は民主党政権に当てはめると「事業仕分け」の危険性の書いていると思った。あれはすぐに金になるかどうかが基準であると思うので、仕分けはせめてその専門家同士で決めたほうがいいと思った。2011/06/25

muu3

1
2000年発行であるが、けして古い内容ではなく、現在の状況を言い当てている部分もあり、今読んでも「なるほど」と思う部分が多い。経済学について無知な時に一度読んでいるが、経済学を勉強した後に読むと更に理解が進んだ。文章のリズムも良く、とても楽しく読み進められた。2015/01/19

Hisashi Tokunaga

1
サッチャリズムやレーガノミクスにとっての平等は機会平等、能力主義。さてこの結末は、勝者の数に倍する敗者である。競争のはてに多数の敗者が社会に沈殿することになる。痛烈な経済自由主義批判と警鐘の先駆けとなる書。

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