岩波新書<br> イスラームと国際政治―歴史から読む

  • ポイントキャンペーン

岩波新書
イスラームと国際政治―歴史から読む

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 230p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004305835
  • NDC分類 319
  • Cコード C0222

出版社内容情報

冷戦後の国際情勢の鍵として,民族・宗教問題,特にイスラームに対する注目が高まっている.「中東新秩序」の動向をはじめ,全世界に広がるネットワークや地域性をどう見るか.確かな歴史的視点から現代世界を解読する.

内容説明

冷戦後の地域紛争の主な要因として、民族・宗教問題、特にイスラームに対する注目が高まっている。中東新秩序の構想や中央アジアの動向をどうみるべきか。また、アジア・アフリカ・アメリカに広がるネットワークと共に、地域性・個別性をどう認識するのか。歴史的視点を根底にすえながら、三十のテーマから現代世界を解読する。

目次

1 現代世界とイスラーム(アメリカの「ブラック・ムスリム」運動;中国を揺るがすウイグルの動向 ほか)
2 中央アジアの動向(中央アジア、五ヵ国の展望;タジキスタンの内戦 ほか)
3 「中東新秩序」をめぐって(中東地域協力の枠組み;中東政治の焦点をさぐる ほか)
4 歴史を見る眼(政教一致とイスラーム;ガンディーの実験とインド ほか)

著者等紹介

山内昌之[ヤマウチマサユキ]
1947年、札幌に生まれる。1971年、北海道大学文学部卒。カイロ大学客員助教授、ハーバード大学客員研究員などを経て、現在、東京大学大学院総合文化研究科教授。学術博士。専攻、国際関係史・イスラーム地域文化研究
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さきん

25
1998年に書かれたイスラム情勢を解説した本。コーランの位置付けからイスラムの各組織がどのようにふるまっているのか、ロシアと各スタンの距離感、アフガニスタンをアメリカが援助してる関係、自由化に微か春風が吹いてたイラン、天然資源の利益でつかの間の平和な部族社会のアラビア半島諸国。スペインやアルジェリア、リビアイタリアの中世からの緊張した関係、結局民族の要素にイスラムを頼ったトルコ、チェチェンやカフカス、アゼルバイジャン、アルメニアなどの仁義なき戦い。2023/01/20

KAZOO

10
山内先生の本にしては、比較的小項目での章立てになっています。雑誌のフォーサイトに掲載したものが中心となって30項目の分かりやすい説明になっています。若干古いのですが、イスラムを勉強するにはこれから入るといいのではないかと思います。2014/04/17

うえ

7
98年刊。既にこの頃にはイスラームに希望はなかったのかも知れん。「核クラブのリーダーたる米露両国が恐れているのは、イスラーム主義運動の急進派が戦術核を入手し、核テロリズムによって国家や国際秩序に恫喝を加える事態であろう」「脳裏に浮かんだのは『コーラン』二章の教えである。信仰上の騒憂を引き起こした者は殺人を犯した者よりも悪質であり…「構わんから殺してしまえ。信仰なき者どもにはそれが相応の報いというもの」と命令している」「一部の識者は、イスラームと国際政治との複雑な関わりをあまりにも無視しすぎている」2015/04/01

jj

6
9.11前98年の著。北アフリカ、中東、中央アジア、インド、中国、米国等のイスラムに対する絡みが触れられており、それぞれのイスラム世界の成り立ち,問題点などは参考になる内容。特にタジキスタンについて触れている部分は新鮮であり、興味深かった。当時の国連タジキスタン監視団員・故秋野氏と著者は親交があったことがその理由。また岩倉使節団をはじめ当時の日本人とイスラム世界の接触。高松宮とトルコ。ロレンス、ビンラディン等にも触れられており、とても盛り沢山すぎな内容。イスラム世界を横断的に理解するのに役立つ内容。 2016/06/29

redbaron

6
「文明の衝突」を防ぐことはできる…ただ各国のエゴがなければの話。歴史からイスラームを紐解くという意味では、多少古い本ですが良書だと思います。2014/08/04

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/25566
  • ご注意事項