岩波新書<br> 民族という名の宗教―人をまとめる原理・排除する原理

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岩波新書
民族という名の宗教―人をまとめる原理・排除する原理

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  • サイズ 新書判/ページ数 208p/高さ 18X11cm
  • 商品コード 9784004302049
  • NDC分類 311.3
  • Cコード C0236

出版社内容情報

人々を激しくひきさき対立させる民族主義.どうそれを超えるかに21世紀の平和はかかっている.こうした問題意識から著者は民族主義を「国家の宗教」であると把え,その克服の途をさぐる.対話形式によるねばり強い思考実験の後にほの見えてくるのは,創造的・批判的精神としての社会主義の復権である.『権威と権力』の姉妹篇.

内容説明

世界を激しくひき裂き対立させる民族主義。どうそれを超えるかに21世紀の平和はかかっている。こうした問題意識から著者は民族主義を「国家の宗教」であると把え、その克服の道をさぐる。対話形式によるねばり強い思考実験の後にほの見えてくるのは、創造的・批判的精神としての社会主義の復権である。『権威と権力』の姉妹篇。

目次

第1章 人間は集団を武器とした
第2章 血の信仰
第3章 部族から帝国へ血から言葉へ
第4章 イデオロギー
第5章 国民と民族
第6章 国の中の少数派
第7章 「同じ」意識
第8章 理性的批判主義

著者等紹介

なだいなだ[ナダイナダ]
1929年、東京に生まれる。1953年、慶応義塾大学医学部卒業。現在、作家・精神科医
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おおにし

20
(除籍本)民族主義は人をまとめる力となるが、民族というフィクションを作って、人々に信じさせなければならない。シオニズムはスファラド系とアシュケナージ系に分かれていたユダヤ教徒グループを1つにまとめるための運動からはじまり、その運動は拡大してイスラエル建国につながった。民族結集のためには、滅びたイスラエル王国の神話とべブライ語の復活が必要であったが、ユダヤ人はセム人だという血の観念まで持ち出せば、ナチと同じ論理ではないかと著者は語っている。今パレスチナ問題を考えるために再読してみた。2023/10/15

時間に追われる社会人

14
学習資料2016/01/28

fseigojp

12
いまの時代を予見するような内容 実は大東亜共栄圏というイデオロギーに翻弄された筆者の警告の書2015/08/25

壱萬弐仟縁

12
副題の、排除する原理、というのはただならぬ。理由は、権力を使ってでも気に入らない分子を排除しようという金持ちがいるので。字が詰まっていないので、一気に読んでしまえる気がする。さらには、会話風だから。第1章のタイトルは、「人間は集団を武器とした」と意味ありげ。理由は、他の種と違い、人間が自然を支配してしまっている実態として、原発をも数多くつくり、手に負えずに困っているからである。人間集団の悪しき面は、戦争や放射能汚染が最大の弊害に思える昨今。第3章第2節に「戦争をする本能」(72頁~)とある。 2013/07/06

寝落ち6段

11
自然の中で生きて行くために、集団で行動するしかなかった。その集団がより安定した生活を送るために、他の集団と戦い、簒奪した。その中で、より団結を深めるために血脈や生活様式、言語、神話などのイデオロギーを利用した。民族とは元々、争いの時代で生き残るための考え方だったのではないかと思う。だが実際は、既に民族同士の習合が進み、単一民族など存在しないのに、それに縋るのはなぜだろう。自分のアイデンティティの確立なのかもしれない。国際化が進む現代では均質化と多様性の両立が叫ばれているが、個人埋没の不安が縋らせるのか。2021/08/24

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