岩波新書<br> 竹の民俗誌―日本文化の深層を探る

岩波新書
竹の民俗誌―日本文化の深層を探る

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  • サイズ 新書判/ページ数 243p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004301875
  • NDC分類 653.8
  • Cコード C0221

出版社内容情報

日本人にとって最も身近な植物のひとつである竹.日常生活に欠かせなかった竹箒や籠,箕など竹細工の技術は,先住民である山の民によって伝承されてきた.竹にまつわる記紀神話や『竹取物語』などは,ヤマト朝廷によって抹殺されたもうひとつの日本歴史を暗示する.各地に残る竹の民俗をたどり,日本文化における「聖」と「賤」の深層を探る.

内容説明

日本人にとって最も身近な植物のひとつである竹。日常生活に欠かせなかった竹箒や籠、箕などの竹細工の技術は、先住民である山の民によって伝承されてきた。竹にまつわる神話や『竹取物語』などは、ヤマト朝廷によって抹殺されたもうひとつの日本歴史を暗示する。各地に残る竹の民俗をたどり、日本文化における「聖」と「賤」の深層を探る。

目次

第1章 竹をめぐる思い出
第2章 竹の民俗・その起源と歴史
第3章 民衆の日常生活と竹器
第4章 日本神話と先住民族・隼人
第5章 『竹取物語』の源流考
第6章 竹細工をめぐる〈聖〉と〈賤〉

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

にゃん吉

4
日本人にとって馴染み深い竹に着目して日本文化の深層に迫る一冊。竹に関する植物学的な観点からの話、縄文時代の竹関係の出土品や農具、漁具等の加工品の話、記紀、風土記に残る竹 東南アジアの竹関係の民俗……という具合に、幅広く竹にまつわるあれこれが叙述されており興味深い。個人的には、阿多隼人の畿内移住の話が、特に興味深くありました。  2021/10/17

mustache

4
沖浦民俗学の名著。かぐや姫の物語を、竹細工を正業とした隼人系の民話(古層)と、天武・持統期の貴族社会で権勢をふるう実在の貴族や帝を笑いものにする批判の部分(新層)の結合と見る。竹の呪力、呪具、民具としての有用性と、それを細工する民が賤視されたことのネジレを探っている。2015/09/09

編集兼発行人

3
竹に纏わる我国の文化に関する考察。神話を含む歴史から民衆の日常的な生活まで射程に入れて竹が永年に亘り及ぼしてきた影響を平易かつ詳細に解説するという構成。列島内での闘争において朝廷に服従させられた勢力の源流は大陸の江南や南方の島嶼から渡ってきた海洋民であろうことを推察させる様々な事例を前提にすると移住を強制された其の子孫が作者かと思しき竹取物語の成立に反権力性が加味され興味が深まると共に竹を用いた技術の駆使を生業としてきた者に対する蔑視の強化や民俗的な収奪が今日にまで継続している状況に通史の暗部を垣間見る。2014/11/29

Junko Yamamoto

2
文献だけでは仮説に過ぎない。隼人に関する考古学はないものか2021/04/04

茶坊主

2
竹を手掛かりに、大和朝廷に征服された民族に迫る。 「竹取物語」に被征服民による、政権批判がこめられているとは知らなかった~。 「かぐや姫」は古典文学史上まれに見る、強い女だったのか!2015/02/25

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