岩波新書
演劇とは何か

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  • サイズ 新書判/ページ数 176p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004300328
  • NDC分類 770
  • Cコード C0274

出版社内容情報

演劇が現代に対して持つ意味は何か.その可能性はいかにして切り開かれていくのか――本書は世界的に活躍する演出家が具体的な実践にもとづいて展開する演劇論である.著者は演出・演技の方法,劇団という集団の持つ意味について独自の考えを展開し,活動の拠点・富山県利賀村から,文化の国際交流がいかにあるべきかを提言する.

内容説明

演劇が現代に対して持つ意味は何か。その可能性はいかにして切り開かれていくのか。本書は世界的に活躍する演出家が具体的な実践にもとづいて展開する演劇論である。著者は演出・演技の方法、劇団という集団の持つ意味について独自の考えを展開し、活動の拠点・富山県利賀村から、文化の国際交流がいかにあるべきかを提言する。

目次

1 演出について(テキストから舞台へ;チェーホフとリアリズム演劇;ヨーロッパ戯曲の三つの様相;演出的観点から見たヨーロッパ戯曲)
2 演技について(演劇の不可欠の要素とは何か;スタニスラフスキー・システムをめぐって;古典演劇と現代演劇;俳優の訓練)
3 劇団について(優れた芸術とは何か;演劇という表現行為;集団作業としての演劇;劇場の意味)
4 結び―新しい関係の創造へ向けて

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

i-miya

22
2010.06.17 第1章 演出について。 チェーホフ『三人姉妹』モスクワから田舎へ。モスクワへ戻りたい。軍人の父、その部下の軍人とお喋りする三姉妹。 モスクワから新しい隊長が来る。すでに結婚している次女マーシャ、隊長(妻子あり)と恋に。末娘イリーナもモスクワの夢を捨て軍人の一人と結婚を決意、しかし恋敵と決闘して死亡する軍人。長女オーリガ、独身、教員生活。モスクワへの夢、三人とも途絶える。(神西清訳)三人姉妹の演出。リアリズムの演出。2010/06/18

しゅん

14
演劇の本質的な魅力を捉えるための手引きとなってくれる一冊。演劇の歴史的整理や基本構造をわかりやすく提示しながら、人間社会全般と演劇との関わりを考察する。特に興味深かったのが、組織から孤立した人間はただの「孤」であり、一人の人間としての在り方を追求するためには集団の中で「個」として生きていかざるを得ないという指摘は鋭く刺さった。「個」であることを抜きにしては、あらゆる反抗や抵抗も意味を為さないだろう。なんにせよ、明快で奥深い、一家に一冊のザ・基礎教養書です。2017/11/20

かんがく

12
東浩紀との対談で著者に興味を持ち読んだ。書かれたのは昭和の終わりだが、今でも十分通用する演劇論。むしろ、身体性や場を重視する主張は、インターネットの普及やコロナ禍を経た現在だからこそ響くかもしれない。2022/07/01

mstr_kk

5
ずいぶん初等的で優等生的な演劇論で、小学校の教科書を読んでいるようでした。たとえばここに書かれているリアリズム解釈などが要領を得ず面白くないのは、歴史が踏まえられておらず、鈴木忠志の思い込みが語られているからだと思います。いかにも鈴木忠志が言いそうなことがえんえん書かれており、鈴木忠志の演劇自体に批判的な僕のような読者はうんざりする一冊です。2022/09/13

NICK

5
演劇というものにあまり縁がないのでその言わんとしているところの多くが理解できたわけではないが、「能」に関する記述は興味深かった。能の身体表現は近代リアリズム演劇のように人間の内面をそのまま表象しているわけではない。むしろ身体表現そのものが一個の固有の感情の表現であるという。これは非常にベルクソン的だと思った。内的心理や感情といったものが客観的事実として存在するとするのでなく、身体表現という表層そのものが量に還元されえない質ということか?2013/09/26

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